もしも老人ホームに、1人のいじめ爺(ジイ)が君臨していたら。そんな世界を再現してみせてくれるこの摩訶不思議なホラー映画が投げかけてくる恐怖が、衰えの隠せない肉体の隅々に染み渡る。

 そのデイヴという異常ないじめ爺は、人より足腰が元気だから本当に厄介で、元判事が持ち前の正義を振りかざしても、半身不随だから全く歯がたたない。しかもこの元判事、認知症の症状もあるから、いかに雄弁にデイヴの罪を訴えようが誰も聞く耳を持たず、入所者たちの共感を得ている様子もない。
 歯止めが利かないデイヴをどうしてやろうかと画策する元判事の目線で切り取られる老人ホームの日常は、本当なのか認知症がみせる幻影なのかも分からないし、よく考えたらこれは映画だし。脳内は混乱の極み。混乱するのは老いたからか? もうとにかく怖い。(桜坂劇場・下地久美子)
◇15日から桜坂劇場で上映
【桜坂劇場・下地久美子の映画コレ見た?】『ジェニー・ペンはご...の画像はこちら >>
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