NHKで放送中の2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』で、瑞穂屋の店員・柳川文を演じる俳優・内田慈がコメントを寄せた。文は主人公のひとり・大家直美(上坂樹里)の実の母であることが判明する重要人物。
内田は「これはすごい大役をいただいたなと思いました」と振り返り、作品や役柄への思いを語った。

 柳川文は、瑞穂屋の商品を誰よりも知り尽くし、外国人客の接客もこなす店員。かつて女郎屋「錦栄楼」で初代夕凪として働いていたが、身重のまま店を抜け出した末に1人となり、教会の前へ我が子を預ける決断をした過去を持つ。末期の胃がんを患いながらも貧しさゆえに医者へかかれず、最期は直美の看護を受けながら息を引き取り、生前ためた全財産を在宅での看護費用として直美へ託す。

 内田は出演が決まった際について「文が元・女郎であり直美のお母さんであるということ、具合が悪くなった文を看護するなかで直美に新たな決意や気持ちが生まれるということを最初に聞いていたので『これはすごい大役をいただいたな』と思いました」と回想。「このドラマは必死で生きる人たちがバトンを渡して進む物語。文としてきちんとバトンを渡す役割を果たしたいという思いで演じていました」と明かした。

 役柄については「文は冷静でスンとした人なのかと思っていたら、美津さんや卯三郎さんと楽しく笑ってしまうようなところもあり、つかみどころがない人」と分析。直美が実の娘だと気付く過程についても、「『まさか……』が重なって『やっぱりそうなのか』と受け入れた感覚。人生の辛酸をなめてきた文は、娘との再会という奇跡的な偶然も妙に静かに受け入れられたのだと思います」と語った。

 さらに「今まで演じたことのないタイプの役でしたが、気づいたら自分の中に文という人間がはっきりといた。そんな役作りは初めてでおもしろく、私にとって特別な役になりました」と振り返った。


 娘・直美を演じた上坂樹里については、「“自分とは違う人間に触る”ということに対しての敬意や注意を感じました。それでいて遠慮せず支えてくれるので、安心して身を預けたい気持ちになりました」と撮影を回想。「彼女自身が持っているものに加え、大家直美という看護婦を志す人間として生きてきた証でもあるのだろうと感じました」と印象を語った。また、撮影の合間は他愛ない話をしつつも、本番では互いに自然体で向き合うことで信頼関係を築けたと明かした。
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