pixivFANBOXがクリエイターに代わり無断転載と戦う ...の画像はこちら >>


 無断転載に悩むクリエイターに代わり、FANBOXが“剣”を振るえるようになります。


 ピクシブ株式会社が提供する「pixivFANBOX」は8月24日、無断転載された投稿コンテンツについて、運営側がGoogle検索結果からの削除申請を行う新サービスを9月29日から提供すると発表しました。


 ただし、その仕組みは単なる「削除申請の代行」ではありません。希望するクリエイターが投稿作品の著作権をピクシブと“共有”し、FANBOX運営自身も著作権者になることで、無断転載への対応を可能にするというものです。


 と、ここまで書くと「じゃあ、ピクシブに著作権を渡すってこと?」と思うかもしれませんが、そうではありません。クリエイターが著作権を手放すのではなく、無断転載への対応に限って、FANBOX側にも“権利者として動ける剣”を一本持たせる……そんな仕組みです。


■ 無断転載対策、でも本人が申請するのは結構大変

 FANBOX(ピクシブ)によると、これまでも無断転載を行った、あるいはそのおそれがあるユーザーのアカウント停止などの対策を実施してきました。


 しかし、過去に無断転載されたFANBOXの投稿コンテンツが、現在もGoogle検索結果の上位に表示されるケースが続いているといいます。


 Googleでは著作権侵害の報告を受け付けており、申請が認められれば、該当ページを検索結果から削除することが可能です。


 ところが、この手続きを行えるのは原則として著作権者本人、またはその代理人。クリエイター自身が申請する場合、手続きが煩雑なうえ、申請者の名前や所属などの情報開示を伴うことから、個人で活動している人にとっては心理的な負担もありました。


 そこで、「だったらFANBOXが代わりに剣を振るえばいい」という話になるわけですが、ここで一つ問題が。


 現在の規約では、投稿作品の著作権はあくまでクリエイターのもの。FANBOX運営には著作権がないため、Googleへの申請に必要な「著作権者」や「代理人」として動くことができませんでした。

■ ならばFANBOXにも“対海賊版用の剣”を一本

 そこでFANBOXが採用したのが、希望するクリエイターと著作権を「共有」する仕組みです。


 9月29日に予定されている規約改定後、専用フォームから申し込んだクリエイターについては、FANBOXに投稿したコンテンツの著作権をピクシブ株式会社と共有します。


 これにより、ピクシブ側も投稿コンテンツの著作権者となり、自社名義でGoogleに対して著作権侵害の報告や検索結果からの削除申請を行えるようになります。


 言ってしまえば、クリエイターが持つ「対海賊版用の剣」を、FANBOXにも一本持たせるような仕組み。


 実際の申請作業はFANBOX側が行うため、クリエイター自身が煩雑な手続きをする必要はなく、申請時にもピクシブの名義が使われることから、クリエイター個人の情報が開示されることもないとしています。

■ 著作権を「取られる」わけではない 利用は無断転載対策に限定

 とはいえ、やはり「プラットフォームと著作権を共有」と聞いて、少し身構えるクリエイターもいるかもしれません。


 この点についてFANBOXは、共有された著作権について、Google検索結果からの削除申請など「著作権侵害への対応以外の目的では利用または行使いたしません」と明記しています。


 また、著作権を共有した後もクリエイター自身は作品を自由に利用でき、著作権に基づく権利についても従来通り行使可能。FANBOX側の同意を得る必要もありません。


 なお、対象となるのは申し込み時点ですでにFANBOXへ投稿している作品だけでなく、その後新たに投稿するコンテンツも含まれます。投稿するたびに申し込み直す必要はありません。

■ 著作権の共有は「任意」 何もしなければ従来通り

 もう一つ重要なのが、この著作権共有は自動的に行われるものではない点です。


 9月29日に新しい規約が発効し、その後もFANBOXを利用し続けたとしても、それだけで投稿作品の著作権がピクシブと共有されることはありません。


 共有を希望するクリエイターが、別途専用フォームから申し込む「オプトイン方式」となっています。


 申し込まない場合、著作権などの権利はこれまで通りクリエイターに全て帰属し、その代わり今回の削除申請サービスは利用できません。

■ 消えるのは「検索結果」 転載サイトそのものではない

 なお、サービス名にもある通り、今回FANBOXが行うのは「Google検索結果からの削除申請」です。


 無断転載サイトそのものからコンテンツを削除したり、サイトを閉鎖させたりするサービスではありません。


 しかし、Googleの検索結果から削除されれば、少なくとも検索経由ではたどり着きにくくなります。結果として、無断転載サイトへのアクセスを抑える効果も期待できます。


 今回の取り組みは、個人では手間も心理的ハードルも大きかった著作権侵害への対応について、プラットフォーム側にも“戦える権利”を持たせるという、なかなか踏み込んだ仕組みです。


 新しいpixivFANBOX個別規約は9月29日に発効し、削除申請サービスへの申し込み方法についても同日以降に案内される予定です。

<参考・引用>
pixivFANBOX公式X(@pixivFANBOX)
pixivFANBOX「『検索結果からの無断転載コンテンツの削除申請サービス』の提供と個別規約改定の事前お知らせ」

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026082506.html
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