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 働く時間は以前より短くなったはずなのに、なぜか疲れが抜けない……。そんな現代人の「疲れ」だけでなく、「健やかさ」やセルフケアの捉え方にも、この20年で変化が表れているようです。


 第一三共ヘルスケアは8月6日、「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」の結果を公表。全国の20~70代の男女600人を対象に、20年前と現在で、健康やセルフケアに対する意識がどのように変わったかを調べています。


■ 労働時間は約150時間減少 それでも約7割が「休んでも疲れが取れない」

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、常用労働者1人あたりの平均年間総実労働時間は、2006年の1843時間から2025年には1693時間へと減少。この20年間で約150時間短くなっています。


 今回の調査でも、40~70代(n=360)の50.8%が「20年前と比べて1日の労働時間が減った」と回答しました。


「無理な人間関係を控える」が20年で大幅増 変わるセルフケアと健康観
20年前と現在の労働環境の変化/20年前と現在の情報環境の変化


 ところが、30~70代(n=480)に体調の変化を尋ねると、71.9%が「20年前に比べ、休んでも疲れが取れない」と回答。労働時間の減少が、そのまま「疲れにくさ」につながっているわけではなさそうです。


「無理な人間関係を控える」が20年で大幅増 変わるセルフケアと健康観
20年前と比べた体調の変化

■ 7割超が「情報の取捨選択が大変」「気ぜわしい」

 また、この調査では、20年前とは大きく変わった情報環境も浮かび上がりました。


 30~70代の73.3%が「20年前に比べて情報が多く、必要な情報を取捨選択するのが大変」、75.6%が「世の中の変化や物事のスピードが速く、気ぜわしいと感じる」と回答しています。


 第一三共ヘルスケアは、こうした状況を「情報疲労」と表現。かつてのような身体を使うことによる疲れだけでなく、大量の情報に触れ、選択や判断を繰り返すことによる負担も、現代の疲れの一因になっているとみています。

■ 「健やかさ」は身体だけでなく「気持ちの安定」も重視

 健康に対する考え方にも変化がみられました。


 30代以上を対象に「健やか」と思う状態について聞くと、20年前については「身体に不調がない」が34.8%、「病気ではない」が31.0%、「人間関係が良好」が25.6%。


 そして現在は、「身体に不調がない」が40.2%で最も多かったものの、「気持ちが安定」が36.7%、「ストレスが少ない」が31.5%と、心の状態に関する項目が上位に入りました。


「無理な人間関係を控える」が20年で大幅増 変わるセルフケアと健康観
「健やか」と思うこ


 中でも「気持ちが安定」は、20年前の19.8%から現在は36.7%となり、16.9ポイント上昇しています。


 一方、大きく数字を落としているのが「人間関係が良好」。20年前については25.6%だったのに対し、現在は13.5%と、12.1ポイント減少しています。

■ 「無理な人間関係を控える」もセルフケアに

 こうした健康観の変化は、実際のセルフケア行動にも重なる部分があります。


「無理な人間関係を控える」が20年で大幅増 変わるセルフケアと健康観
現在と20年前の具体的なセルフケア行動


 現在のセルフケア実践者では、「十分な睡眠をとる」が41.9%、「できるだけ歩くようにする」が34.9%に続き、「手洗い・うがいをこまめにする」が30.4%と上位に。睡眠や歩行、手洗い・うがいといった基本的な健康習慣が上位に並びます。


 先の設問で、現在の「健やかさ」のトップが「身体に不調がない」だったことと合わせると、日常的な行動を通じて身体の状態を整えることが、セルフケアの中心にある様子がうかがえます。


 次に、現在のセルフケア実践者(n=516)と20年前のセルフケア実践者(n=264)を比較した際、最も大きく伸びたのが「無理な人間関係を控える」。6.8%から28.3%へと21.5ポイント増加しています。


 「気持ちが安定」「ストレスが少ない」が現在の「健やかさ」の上位に入っていることと合わせると、自分にとって負担の大きい人間関係から距離を置くことも、心を整えるためのセルフケアとして意識されるようになっていることがうかがえます。


 この変化について、「自分なりの社会とのつながり方を考え、無理をしない“メンパチョイス”のセルフケアが増えている」と指摘。


 「メンパ」とは「メンタルパフォーマンス(Mental Performance)」の略で、心理的な負担の少なさを表す言葉。費用対効果の「コスパ」、時間対効果の「タイパ」になぞらえ、何かを選ぶ際に、お金や時間だけでなく「自分にとって精神的な負担が少ないか」という視点も重視する考え方です。

■ 不調になる前に整える「先回りセルフケア」 ヒントは3つのC

 第一三共ヘルスケアは、社会(予防)医学などを専門とする弘前大学副学長の村下公一先生にも、「これからの健康づくり」について聞いています。


 村下先生は、セルフケアが「病気にならないための対策」から、「心身を整え、自分らしく過ごすための取り組み」へと広がっていると指摘。また、今後はAIやウェアラブル機器の進歩によって、自分の状態を日常的に把握し、将来の健康リスクを見据えて不調になる前から対策する「先回りセルフケア」が広がっていくとみています。


 こうした村下先生の話をもとに、同社が「先回りセルフケア」のヒントとして整理したのが、3つのCからなる「3C」。


 「Choice(選ぶ)」は、情報を増やすだけでなく、今の自分に必要なものを選ぶこと。「Customize(組み合わせる)」は、睡眠や運動、食事などを自分の生活に合わせて組み合わせること。そして「Check(状態を知る)」は、アプリやウェアラブル機器なども活用しながら、自分の身体や心の変化を把握することです。いずれも、自分の状態を知り、その時々に合った方法で心身を整えていくという考え方。


 働く時間は短くなっても、疲れがなくなったわけではありません。そんな時代だからこそ、自分に合った「整え方」を見つけることが、これまで以上に大切になっているのかもしれません。


<出典>
「セルフケア意識・行動の20年間の変化調査」(第一三共ヘルスケア)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026083107.html
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