今年3月に三省堂書店 神田神保町本店がリニューアルオープンし、新たなランドマークとして注目を集める東京・神保町。海外メディアで「世界で一番クールな街」に選ばれたことも追い風となり、国内外から街を訪れる人が増える中、“本の街”の売れ筋に変化はあったのだろうか。

三省堂書店、東京堂書店、書泉グランデの3大型書店が2026年上半期(1~6月)のベストセラーランキングを発表した。

 今回公表されたのは、売上冊数と売上金額の2部門。徒歩3分圏内に並ぶ大型書店ながら、結果は驚くほど異なり、いずれのランキングでも3店舗共通でランクインした作品は1冊もなかった。

 売上冊数ランキングでは、2026年本屋大賞受賞作『イン・ザ・メガチャーチ』や、「マンガ大賞2026」「このマンガがすごい!2026」1位の『本なら売るほど 3』、映画化で再び注目を集める『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上』が複数店舗で上位入りしたものの、3店共通の人気作は生まれなかった。

 一方、売上金額ランキングでも共通ランクインはゼロ。複数店舗に入ったのは『イン・ザ・メガチャーチ』のみで、冊数ランキングとは異なる顔ぶれが並んだ。高価格帯の書籍や大型フェア、著者イベントの開催など、各店舗の販売戦略が色濃く反映された結果といえそうだ。

 各店のランキングには、それぞれの個性も鮮明に表れた。三省堂書店では、旧店舗時代からのロングセラー『思考の整理学』が冊数1位を獲得し、新店舗でも根強い人気を維持。東京堂書店では文芸・人文書に加え、「台湾」や「JAZZ」に関する書籍が上位を占め、専門性の高さを印象付けた。書泉グランデでは鉄道関連書籍が圧倒的な強さを見せ、『貨物時刻表』が冊数・金額ともに首位を獲得したほか、『JR東日本みどりの駅時計BOOK』なども人気を集めた。

 各店長は、ランキングは単なる売れ筋ではなく、それぞれの店づくりや来店客の興味・関心を映し出すものだと分析する。

リニューアルした三省堂書店の誕生で神保町全体の回遊性が高まり、新たな来街者が増える一方で、各書店は画一化することなく、むしろ専門性や独自色をさらに強めていることが今回のランキングから浮かび上がった。

 ネット書店では見つけにくい一冊との出会いや、書店ごとの品ぞろえの違いを楽しめるのは神保町ならでは。3店舗のランキングを見て「へぇー、こんな本あるんだ」と思った人は、新たな出会いを求めて神保町を訪れてみては。

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