脳科学者の黒川伊保子先生が、脳の成長ステージに合わせた「親子の関わり方」について教えます。
■Q.英語は話せて当たり前。
早いうちに習わせるべきか?
3歳までは、親の母語で一貫して接することをおすすめします。人生の最初に獲得する言語=母語は、ミラーニューロンを使って、周囲の人の表情や所作、心の動きと共に獲得します。つまり、語感や言い回しが気分や気持ちと直結している特別な言語なのです。その世界観が確立する2~3歳までは、他言語を“強制”することはあまり得策ではありません。
家族に異なる母語の使い手が交じっているときは、自然に接して大丈夫。いずれもネイティブなら、心と語感が一致しているからです。また、外国語を遊びとして楽しむ分にも問題はありませんが、「課題を与える」などの訓練は、この時期の脳の言語獲得の特性からは、マイナスに働く可能性があります。
母語がうまく確立できない事態を母語喪失と呼びます。気持ちを言語化できずに、コミュニケーションや感情制御に悩みを抱えがち。母語は思いのほか大切です。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

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黒川 伊保子(くろかわ・いほこ)

脳科学・AI研究者

1959年、長野県生まれ。
人工知能研究者、脳科学コメンテイター、感性アナリスト、随筆家。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した、“世界初”と言われた日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。近著に『共感障害』(新潮社)、『人間のトリセツ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社)など多数。

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(脳科学・AI研究者 黒川 伊保子 構成=大西洋平)
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