脳科学者の成田奈緒子先生が、子どもの脳を育て、論理的に考える力を伸ばすための、子どもへの言葉がけについて解説します。
■「家のルール」があると、子どもの論理力が伸びやすい理由
「親の考えを押し付けるべきではない」ということを何度も申し上げてきましたが、だからと言って「子どもの言うことを何でも受け入れていい」というわけではありません。

 私は、家庭の中に、ちょっとやそっとのことではブレることない「軸」を持つべきだと考えています。たとえば成田家の軸は次の3本です。
①夜は決まった時間までに寝る。

②子どもたちを死なせない。

③自分より弱い立場の人を優先する。
 ①は、睡眠が子どもの脳の発達にとても大切だから。②は、どんなに子どもがやりたいと言っても、命の危険に関わることは許さないという意味。③は、常に自分が最優先に扱われるわけではないということです。
 これらのルールは、子どもを縛るのではなく、むしろ、子どもが「では、どうするか」を自分で考えるための土台です。家庭に一貫した軸があると、子どもは迷ったとき、感情ではなく論理で立ち止まることができます。
 親が行き当たりばったりで判断するのではなく、「わが家ではこう考える」という基準を示すこと。それが、子どもの思考を促し、考える力を確実に育てていくのだと、私は考えています。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。

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成田 奈緒子(なりた・なおこ)

文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表

小児科医・医学博士・公認心理士。1987年神戸大学卒業後、米国ワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもの脳を発達させるペアレンティング・トレーニング』(共著、合同出版)、『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略 中学受験から医学部まで突破した科学的な脳育法』(朝日新書)など多数。

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(文教大学教育学部教授、子育て支援事業「子育て科学アクシス」代表 成田 奈緒子 構成=金子聡一)
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