サントリー 「甲州」ワインの新たな挑戦 4産地の個性生かした味わい 世界品質目指し戦略磨く
宮下弘至氏㊧と登美の丘ワイナリー/塩尻ワイナリーチーフワインメーカーの篠田健太郎氏
日本の固有ぶどう品種「甲州」を生かしたワインづくりの新たな試みだ。祖業のワイン事業で挑戦を続けるサントリーでは、4つの産地の甲州原酒を組み合わせた新製品を限定発売する。


同社ではオリジナリティのある日本ワインで、世界に肩を並べる「ジャパニーズワイン」の実現を目指している。なかでも力を入れるのが、日本で長く受け継がれた固有品種である甲州の品質向上だ。自園および自社管理畑での収穫量を、35年までに25年比3倍の約200tとする量的拡大も目指している。

「甲州は病気に強くワインの味わいがクリーンになる一方、欧州系品種に比較して糖度が上がりにくい。持ち味を大切にしながら、いかに凝縮感を高められるかがカギ。自家ブドウ園の強みを生かして、さまざまな取り組みに挑戦してきた」。

マーケティング本部ワイン部長の宮下弘至氏が説明する(8月25日の発表会で)。

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宮下弘至氏㊧と登美の丘ワイナリー/塩尻ワイナリーチーフワインメーカーの篠田健太郎氏日本ワインブランド「SUNTORY FROM FARM」から数量限定で9月8日に発売するのは、辛口の白「THE 甲州 テロワールアンサンブル2025」(750㎖)。オープン価格だが、同社カタログでは3500円の中価格帯。

甲州の主産地である山梨県の自社管理畑3か所に加え、長野県立科町産も使用。個性の異なる4つの産地の原酒をアッサンブラージュ(ブレンド)することで、甲州の新たな可能性を切り開く。

同社の甲州ワインでは、価格帯ごとに既存3品を展開している。
すっきりした味の「甲州 日本の白」、ふくよかさと余韻が特長の「登美の丘 甲州」を両極とする味わいの幅に、立科産の特徴的なアロマを生かしてはつらつさと凝縮感を両立させた新タイプの「THE 甲州」が加わることになる。

甲州ワインと生魚の相性の良さもアピール。一般に、ワインに含まれる鉄分が魚介類の生臭さを助長させることが知られている。甲州は数あるブドウ品種の中でも鉄分含有量が少ないため、魚介料理ともよく合うのが特長だ。

この日の発表会で提供された試食では、鯛・シマアジの刺身、エビ・イカの天ぷらとのマリアージュが紹介された。

宮下氏は「サントリーにとってワインは祖業。日本らしい感性を大切にしたものづくりで、日本・世界に発信したい。その中心を担う甲州の戦略をより強化する」と強調した。

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