馬トク報知で過去の名勝負を当時の記事から振り返る【競走伝】。今回はレッドアリオンが勝った2015年の関屋記念を取り上げる。

前年の兄クラレントに続く兄弟制覇。橋口弘次郎調教師は定年前のラストサマーで重賞勝利を挙げた。

 長い直線で血が騒いだ。残り300メートル。内で粘るレッドアリオンはスマートオリオンに並びかけられたが、川須の右ステッキ連打で息を吹き返した。再び加速して後続を突き放すと、最後は外から強襲してきたマジェスティハーツを3/4馬身抑え、ゴールへ飛び込んだ。

 川須は「本当に強いレースでした」とたたえた。スタートで遅れて後方からとなったが、馬の気持ちに任せて外からジワリと行かせた。「ゲートを出て本来の行きっぷりだったので、無理せず逃げる形になりました。逃げることも頭にありましたし、馬の気持ちを大事にしよう、と」。コンビを組んで11戦目。前走の中京記念(8着)では後方から持ち味を生かせなかったが、見事なエスコートで即巻き返し、春の読売マイラーズCに続く2つ目のタイトルを手に入れた。

 母はオークス馬エリモシックの全妹で、前年の勝ち馬クラレントと同じエリモピクシー。レース初の兄弟制覇を成し遂げた。3歳上の兄リディルも重賞勝ち馬。エリモピクシーの子供で3頭目の重賞制覇となった、橋口弘調教師が小倉競馬場でレースを見守っていた。「直線で一瞬つかまって一巻の終わりかと思ったけど、あそこから突き放すんだからね。相当な能力がある」と驚きの表情。翌年2月で定年を迎える橋口弘師は新潟で重賞7勝目。最後の新潟となる夏にゆかりある血統馬を送り出し、畠山重則元調教師の持つ記録に並んだ。

 兄クラレントもサマーマイルシリーズ初戦の中京記念で8着に敗れ、その後2連勝で夏のマイル王者に。全く同じ足跡をたどる弟の次走はもちろん、京成杯オータムHだ。「お兄さんと同じパターンになればいいなと。サマーマイルシリーズをぜひ狙っていきたい」。

しかし、トレーナーの願いはかなわず、京成杯オータムHはまさかの16着と大敗を喫した。その後は勝ち星を挙げられず、17年3月の高松宮記念(17着)がラストラン。引退後は乗馬クラブなどで過ごしていたが、23年7月24日に13歳の若さで天国へ旅立ったと「TCC Japan」のHPで発表された。

 その後、弟のサトノルパンも2015年の京阪杯を制覇。G1こそ届かなかったが、重賞ホースを4頭送り出した母のエリモピクシーは競馬ファンの間で広く名前の知られている名牝だ。

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