大相撲 ▽名古屋場所10日目(21日、IGアリーナ)

 関脇・安青錦が横綱・豊昇龍を上手投げで破り、特例による1場所での大関復帰へあと1勝とした。1敗でトップを守り、3場所ぶり3度目の優勝への期待も高まってきた。

東前頭7枚目・琴栄峰は西同12枚目・阿炎を切り返しで下し、首位を並走。綱取りの大関・霧島は西前頭3枚目・伯乃富士を寄り切り、2敗同士の対決を制した。安青錦、琴栄峰を1差で霧島、平幕の高安、朝乃山、尊富士、獅司の5人が追う。

 安青錦は強い。立ち合いで左前まわしを取り、上手の方から動いた時、豊昇龍は付いていけなかった。右を入れて下にたたき付けるような上手投げ。上半身から力強さがあふれ出ている。ケガに苦しんでいた時も鍛錬を忘れなかったのだろう。9日目の大の里の一番では土俵際で左上手が命綱だった。力強さが“黄金の左”の源になっている。

 左足の状態は安青錦しか分からないが、頭の中に早い決着というイメージがあったのは事実だろう。相撲が長くなれば不利になる。

内容よりも一気の勝負という相撲内容でもあった。

 10勝での大関復帰はもちろんだが、10日目での1敗キープは優勝も狙える絶好の位置。不安は大関復帰を決めた後の“緩み”だ。安青錦は精神的にも強い力士。気持ちは切れることはないと思うが、痛みが増す危険性は高い。残り5日。安青錦の敵は自分自身にある。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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