◆第43回東海S・G3(7月26日、中京競馬場・ダート1400メートル、良)

 第43回東海S・G3は、7番人気のマテンロウコマンド(松山)がゴール前で差し切り、黒船賞からの重賞連勝でJRA初タイトルを手にした。

 熱波を振り払うように力強さが増していく。

松山とマテンロウコマンドが最高気温37・6度まで上がった中京で躍動した。好位でためを利かせ、追い出したのはラスト1ハロン手前。内のドンインザムードをあっさりとのみ込み、前を行くメイショウハチローに襲いかかる。全身の力を乗せるように手綱を動かすと、前に出た瞬間に右ステッキ2発でグンと加速。3/4馬身という着差以上の強さを見せつけるようにねじ伏せた。

 6頭が重賞勝ち馬の好メンバーで7番人気の伏兵扱いだったが、黒船賞に続く重賞連勝でJRA初タイトル。松山は「力強かったです。中央の馬場だとしんどいと思っていましたけど、勝ててうれしいです」と振り返った。先週までの夏の小倉開催では2位に7勝差でリーディングを独走。舞台が替わっても、夏男の勢いは止まらない。昨年もリーディングを獲得した夏の中京開催で最高のスタートを決めた。

 万全の体調が後押しした。

マテンロウコマンドは当初、1か月前のさきたま杯への出走を考えていたが、賞金面でかなわず。矛先を変え、臨んだレースだった。長谷川調教師は「さきたま杯を目指しながら、体をつくってきたことが暑熱順化につながったところがある。本当にコンディション良く迎えられたのが一番かなと思います」と喜んだ。時計の速い中央で持ち時計も更新する勝利。収穫は大きかった。

 今後はJBCスプリント(11月3日、金沢)を大目標に、次戦でサマーチャンピオン・Jpn3(9月3日、佐賀)と韓国のコリアスプリント・G3(9月6日、ソウル)を視野に入れる。「この先も大きいところを一緒に勝てるように頑張りたいと思います」と松山。酷暑にも強敵にも打ち勝った強さをさらに磨き、実りの秋へつなげていく。(山本 武志)

 マテンロウコマンド 父ドレフォン、母ダイアナヘイロー(父キングヘイロー)。栗東・長谷川浩大厩舎所属の牡4歳。北海道新ひだか町・岡田牧場の生産。

通算15戦6勝(うち地方5戦2勝)。総獲得賞金は1億8864万7000円(うち地方1億640万円)。主な勝ち鞍は兵庫チャンピオンシップ・Jpn2(25年)、黒船賞・Jpn3(26年)。馬主は寺田千代乃氏。

編集部おすすめ