◆JERAセ・リーグ 巨人7―8DeNA(1日・東京ドーム)

 巨人はDeNAに敗れて8月黒星スタートとなり2位に後退。それでも強烈な見せ場をつくった。

0―8で迎えた6回、先頭の石塚裕惺内野手(20)の東京D初安打から6連打を含む8安打を集め、7得点の猛攻で追い詰めた。石塚は1イニング2安打で、ここ4試合で3度目のマルチ安打とした。後半戦初先発の竹丸和幸投手(24)は、新人・宮下に満塁弾を献上するなどプロ最短3回、同ワーストの8失点KOで8敗目。“対右打者”への大きな課題が残った。

 メモリアルな一打が試合の潮目を変えた。0―8の6回先頭で、石塚は内角低めフォークを鮮やかな流し打ちで右前へ。「1打席を無駄にせずやっていこうというミーティングの後だったので1本出したかった」。東京D通算12打席目の初安打は、大敗ムードを一掃する猛攻の口火となった。

 続く佐々木、代打の丸、浦田、松本、泉口が全単打の6連打で篠木をKO。ここまでで4点を奪い、2死満塁で10人目の打者として打席が巡ってきた。「押せ押せムードだったので」と低め149キロ直球を狙い打ち、遊撃への適時内野安打。1イニング2安打目、今度は本拠地初打点をマークした。

大逆転とはいかずも、1イニング7得点は24年9月11日の広島戦(マツダ)の9回に9点を奪って以来。どんな点差でも決してあきらめなかった。

 1月に坂本組の沖縄合同自主トレに初参加。打撃センスを買う先輩から技術面の助言はなかったが「練習は中堅から逆方向に、体を開かず打つ。たまたまレフトに行くのはOK」と試合で直球、変化球の両方に対応することを目的としたフリー打撃の意識を学んだ。一方で昨年、現役だった長野久義氏(現・編成本部参与)から「若いうちに打球を飛ばしておかないと飛ばなくなるよ」とアドバイスを授かっていた。一見、両極端に思えるサカチョーの助言。金の卵は、2つの金言を自分なりの解釈でプロ2年目の指針とした。

 「打球を飛ばせる力をつけることと、相手投手への適応力を磨くことは反対のことじゃない。僕にとってはどちらもすごく、ためになりました」

 2月の春季キャンプは「長野式」の引っ張りメインで地力を養うフリー打撃を敢行。開幕後は「坂本式」で逆方向を中心に丁寧に打ち返している。6回の1安打目は変化球に対応して逆方向へ運び、2本目は直球に絞って強振で左翼方向へ。

2つの教えが共存した2安打だった。

 チームは猛攻及ばず2位に転落し「欲を言えばあそこまで追い上げたのなら何とかひっくり返せたらと思っていましたけど。残念でしたね」と橋上監督代行。見せ場をつくった石塚は7月22日の広島戦(東京D)から6試合連続の先発。ここ4戦で3度のマルチと1軍投手のレベルに順応し、レギュラー定着への階段を一歩ずつ上がっている。「使ってもらってる以上はチームの勝利に貢献したいという思いは変わらない」。ジョーダンコラボデーに輝いた背番号23が巨人の屋台骨となる未来は、そう遠くないかもしれない。(内田 拓希)

【村田真一Point】6回の一気7点は見事やった。なかでも口火を切った石塚。追い込まれながらしぶとくフォークを右前安打。さらに一巡して回ってきた2死満塁では、低めの真っすぐをしっかりと捉えて三遊間へいい当たりの内野安打。8回の打席でも四球を奪い取ってチャンスを拡大してみせた。

起用され続けていることで、1軍の投手に慣れてきたことがよくわかる。これからが、すごく楽しみよ。(スポーツ報知評論家・村田 真一) 

 ◆斬新ユニ使用 巨人は2日までのDeNA3連戦でナイキ社が展開する「JORDAN BRAND(ジョーダンブランド)」とコラボし、黒と赤の特別ユニホームを着用。「JORDAN―」は、バスケの神様、マイケル・ジョーダン氏のレガシーを継承するブランド。バンダナ柄は東京が拠点のテキスタイルブランド「NOMARHYTHM TEXTILE」によるデザインを取り入れ、全員が違う柄となっている。

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