◆第108回全国高校野球選手権第1日 ▽1回戦 仙台育英3―1札幌日大(5日・甲子園

 仙台育英(宮城)と札幌日大(南北海道)の開幕戦では、仙台育英・田山纏(まとい)外野手(3年)が右中間へ大会1号となる特大アーチ。今秋ドラフト候補に挙がる左のスラッガーの豪快弾を、巨人スカウトも「打った瞬間という素晴らしい当たり」と絶賛した。

仙台育英は31年前に敗れていた開幕戦で雪辱。初の開幕戦勝利を挙げて2回戦進出を決めた。

 叫んだ。田山はフルスイングの瞬間、着弾点を確信した。ゆっくりとダイヤモンドへ走り出し、右手人さし指を甲子園の夕空へ突き出した。1―0の4回1死。札幌日大のエース・石川瑛二朗との勝負。3球目の甘いスライダーを捉えた。打球は大きな弧を描き、右翼席中段へ到達するソロ。開幕戦で大会第1号だ。ナイター照明が歓喜のヒーローを、ひときわ輝かせた。

 「甲子園は特別。

観客がこんな多い中で打てるとは。歓声がすごくて、打った瞬間、確信できた。気持ちいい一発」。仙台でナイター想定の夜間練習を3度実施。準備万端で仕留めた。

 高校野球の聖地で記念すべき第1号。実は中学時代、東京Dで一発を放っている。江戸崎ボーイズ(茨城)時代の23年7月、ボーイズリーグ東日本選抜として都市対抗野球大会の前、ヤングリーグ選抜との交流試合に臨んだ。右中間席にたたき込み、度肝を抜いた。

 「低反発バットを初めて使った日で」と言うから恐れ入る。30~40校の誘いがあったが、「須江先生に学びたい」と仙台育英に入学。スラッガーとして進化した。

これで高校通算25号。18歳で東京Dと甲子園の「ダブル本塁打」を達成した。

 進路は「高卒プロ一本。大舞台でアピールして絶対プロに」と意気込む。遠投125メートルと強肩も武器。スカウトも熱視線を送る。巨人の榑松スカウトディレクターは「打った瞬間という素晴らしい当たり。思い切りの良さとスイングスピードが魅力」と好評価した。

 須江監督は甲子園通算20勝目。終了20時9分に「人生最高の夜更かしだと思います」と笑った。「纏(まとい)」の名には両親の「人と出会っていろいろな物事を吸収し、身にまとってほしい」との願いが込められている。2回戦は花咲徳栄(埼玉)と激突。

「恩返しの夏にしたい」と田山。強打者のオーラを纏い、夏の頂点へ上り詰める。(加藤 弘士)

 ◆田山 纏(たやま・まとい)2008年6月4日、茨城・鉾田市生まれ。18歳。小1から当間スポーツ少年団で野球を始め、小6でDeNAジュニアに選出。鉾田南中では江戸崎ボーイズに所属し、投手と右翼手として全国大会4強、東日本大会優勝。高校では1年秋に初めてベンチ入り。2年春から「1番・右翼」で背番号9のレギュラー。投げても最速146キロ。四つの変化球を操る。177センチ、85キロ。右投左打。

遠投125メートル。

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