◆第108回全国高校野球選手権大会第2日▽1回戦 佐野日大1―0聖隷クリストファー(6日・甲子園

 1回戦が行われ、2年連続2回目出場の聖隷クリストファーが佐野日大(栃木)に0―1で敗れ、昨夏に続く初戦突破はならなかった。聖隷エース・高部陸(3年)が6安打10K1失点(自責0)と好投したものの、打線が相手エース・鈴木有(3年)を打ち崩せず、完封負け。

2022年の日大三島以来、県勢4年ぶりの初戦敗退となった。

 甲子園に“魔物”がすんでいた。聖隷が1点に泣いた。7回2死一、二塁の守備だった。佐野日大の8番・高橋丞(3年)の打球は、中堅に上がった。前進して落下点に入ったように見えた鈴木悠陽(3年)が、グラブに当てたものの、落としている間に二塁走者がホームを駆け抜けた。

 県大会全6試合で1失策の守備が聖地で乱れた。決勝点は、2死走者なしから内野の失策で出塁を許した走者だった。1イニングで2つのミスが命取りになった。

 慣れないナイターでの試合が明暗を分けた。序盤には捕れそうな邪飛を2つ、アウトに出来なかった。本番2日前の4日には大阪桐蔭のグラウンドを借りて、照明対策を練ってきたはずだった。

 鈴木は「空が黒くて距離感がつかめなかった。こういう形で終わってしまって悔しい」と、涙に暮れた。左腕エース高部に対しては「ずっと粘って粘って投げてくれていた。最後自分が台無しにしてしまいました。謝りたいです」ともらした。田中公隆監督(52)は、「朝から風が強くて嫌な予感はあった。風が巻いている状況をもっと選手に伝えないといけなかった」と、選手をかばった。

 打っても、相手エースの鈴木の前に完封負け。指揮官は「テンポ良く投げられてしまった」。制球よく内外を突かれて、6安打に抑えられた。スコアボードには「0」が9つ並んだ。

 初戦で姿を消したものの、ここ数年の県内高校野球を盛り上げているのは間違いなく聖隷だった。

エースの高部が入学した2024年夏の準優勝から県大会で、3季連続優勝を含み7季連続4強以上と安定した成績を収めた。昨春の県大会から今春の県準決勝で敗れるまで県内公式戦22連勝をマーク。4月に上村敏正前監督(69)から田中監督に替わる中、今夏は「打倒・聖隷」「打倒・高部」という県内強豪校の挑戦をはねのけ、見事に連覇を達成した。

 来夏は静岡では、戦後初の3年連続甲子園出場がかかる。スタメンで、ただひとり2年生の峯田琉生三塁手は、「実力が足りなかった。新チームでは自分が引っ張ってやっていきたい」と、前を見つめた。来春のセンバツへとつながる秋季県大会は来月12日に始まる。先輩たちの悔しさを胸に再び、聖隷が聖地に戻って来る。(塩沢 武士)

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