◆第108回全国高校野球選手権大会第4日 ▽1回戦 白樺学園1―2東日本国際大昌平(8日・甲子園

 腕の見せ所はラストイニングに巡ってきた。0―0の9回2死一、二塁。

入ケ町隼仁(3年)の左前打で二塁走者の小口壱晟(3年)が一気に三塁ベースを蹴る。三塁コーチャーズボックスの金沢裕誠(3年)は166センチ、70キロの体を大きく使って、ちぎれるくらいの勢いで目一杯、腕を回した。「あそこでアウトになったら流れはないと思っていたので本当に…。入ケ町が意地で打ってくれて感動しました」と笑みを浮かべた。

 父は明秀日立の金沢成奉監督(59)。光星学院で春夏8度の甲子園出場を果たし、明秀日立でも春、夏1度ずつ甲子園に導いている名将だ。「父からはそんな細かいことは教わっていなくて。甲子園はいい所だから、誰よりも声を出して楽しんでこい」と励まされたという。背番号15。福島大会でも出場はなかった。「もちろん打席には立ちたいですけど、チームのために盛り上げていきたいと思います」。父からは走者がいない時でも誰より声を出してチームを盛り上げるようアドバイスを受けた。

2時間6分の試合中。声を張り続けて仲間を鼓舞した。

 父の応援で何度か甲子園を訪れたが、その時はアルプス席から観戦。あこがれの聖地の土をしっかりと踏みしめて、堂々と胸を張って校歌を歌った。「県大会で歌った校歌、景色。やっぱり甲子園はすごいなと。言葉では言い表せないですけど…」。最高の景色を何度でも見るつもりだ。(秋本 正己)

編集部おすすめ