◆第108回全国高校野球選手権大会第4日 ▽1回戦 青森山田6-5遊学館(8日・甲子園

 青森山田は、兜森崇朗監督(47)の判断で青森大会後に主将を交代した郡司宙弥(ちゅうや)二塁手(3年)などの活躍で遊学館(石川)に勝利。酷暑対策として、襟やボタンをなくした新ユニホームでの“初勝利”をつかんだ。

 自然とガッツポーズが出た。2回1死二塁、青森山田・兜森監督が感情をあらわにした。得点が入ったわけではない。「9番・二塁」で先発出場した郡司が放った1本の安打に対して、喜びを大きく表現した。

 感情が入る理由があった。郡司は昨秋からチームの主将を務めていたが、今夏の青森大会で7打数無安打と大不振。指揮官は、甲子園出場決定後に極めて異例といえる主将交代に踏み切った。新主将に任命したのは背番号20の須藤彪(ひゅう・3年)だった。指揮官は「(私は)わがままな監督ですから、キャプテンの負担も大きい。プレーに専念させる環境を」と理由を説明。郡司もすぐに受け入れるのは難しかったが、周囲との話し合いの末に了承した。気持ちを切り替え、臨んだ聖地初戦。

ようやく飛び出した今夏初安打は3点目につながった。

 チームは遊学館の反撃を抑えて1点差で勝利。好機を拡大し、3点目を呼び込んだ郡司の働きは、大きな意味を持った。試合前に「今日の試合で(主将交代の)答えが出るかも」と語っていた指揮官は試合後「うれしい限りですよ。これを待ってましたから」と喜びを隠さなかった。

 チームは酷暑での戦いに対する対策として、ユニホームを新調。ボタンがないTシャツのような見た目が特徴で、須藤主将も「着心地は練習着に近い。違和感はない」と話す。新ユニホームでの記念すべき1勝に貢献した郡司は「今日の一本で満足せずに、もっと自分の改善点を探してやっていきたい」。最高成績の4強を超えるべく、安打を積み重ねていく。(関根 颯太)

編集部おすすめ