◆JERAセ・リーグ 巨人7―3ヤクルト(9日・東京ドーム)

 巨人が逆転勝ちで2カード連続の勝ち越しを決めた。ヒーローになったのは今季初昇格して即スタメン起用された5年目の岡田悠希外野手(26)だ。

2―3の6回、大城の適時二塁打で追いつき、なおも2死一、三塁から中前に決勝打。代打・丸も2点二塁打で続き、勝負を決めた。今季1軍で起用された30人目の野手が結果を出した。6回6安打3失点の小笠原慎之介投手(28)が2勝目。チームは、同率首位の阪神と11日から東京Dで3連戦に臨む。

 試合を決めたのは“30人目の男”だった。打球が中前で弾むと、岡田から喜びがほとばしった。待ちに待った今季初安打、初打点は先発の小笠原に勝ち星をつける決勝打。お立ち台で「最高でーす!」と叫んだ。いつのまにか定着した愛称は「ダディ」。チームメート、ファン、家族、友人。みんなをハッピーにする一打だった。

 チーム101試合目にして、初めて1軍からお呼びがかかった。支配下野手36人中、30番目の出番だ。昨年6月24日以来、約1年2か月ぶりのスタメンに燃えた。6回、同点に追いついてなおも2死一、三塁。「絶対に打ってやろうって気持ちで打席に入りました」。阪口の150キロ直球をはじき返した。試合前、丸に「いけぃ!」とハッパをかけられ、ここぞの場面で集中力を発揮した。

 大卒5年目。勝負をかけて臨んだ昨季は1軍で11試合で18打数3安打、打率1割6分7厘、0本塁打、2打点に終わっていた。さらに競争の激しくなった今季は、キャンプからファーム暮らしだった。寄り添ってくれたのが、金城龍彦2軍オフェンスコーチだった。1人で練習しようとしていると「一緒にやっていいか」とさりげなくそばにいてくれた。

「めっちゃいいやん」「いいね」。何げない言葉が活力になった。「褒められたらうれしいっていう、少年時代の心になれた」と、しみじみ明かす。「5年目の大卒。僕がコーチだったら、もういいかなってなるんですけど。金城コーチ、感謝したいです」。恩返しの一打となった。

 高校のチームメートなど昔からの知り合いは、結果が出ないときに連絡をくれた。「頑張ろうや、お前はこんなもんじゃない」。苦しいときこそ胸に染みた。「僕がホームランとか打った時は全くLINEしてこない。きついときにLINEをくれて。

そういう人、一生大事にしようと思います。僕のプレーで、こいつを幸せにしたい。幸せにせなあかんって思います」。雌伏の時期が長く続いてもくじけなかった。

 チームは連勝で2カード連続の勝ち越しを決めた。火曜日からは首位争いをする阪神との3連戦が始まる。「チーム一丸となって。僕もその中のピースになれるように頑張りたいと思います」。諦めず努力を続けてきた男が、チームを盛り上げる。(臼井 恭香)

 ◆岡田 悠希(おかだ・ゆうき)2000年1月19日、愛知・犬山市生まれ。26歳。幼少時に広島・東広島市に引っ越し、小学1年から「安芸リトル」で野球を始め、八本松中時代はヤングリーグ「府中広島’2000」でプレー。

龍谷大平安では2年春に甲子園4強。法大では3年秋からベンチ入り。リーグ戦通算29試合で打率2割5分、4本塁打、12打点。21年ドラフト5位で巨人入団。184センチ、86キロ。右投左打。

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