公益社団法人上方落語協会の笑福亭仁智会長と、前会長の桂文枝最高顧問が10日、天満天神繁昌亭の「二十周年記念特別公演」を大阪市北区の同館でPR。会場20周年記念日に当たる9月15日から同23日までの連日、午後1時30分から6時10分まで4時間40分に及ぶロングラン公演を開催するにあたり、文枝は漫才コンビ「ナイツ」塙宣之の「大失敗」を“反面教師”としたことを明かした。

 ロングラン公演の狙いは若手の育成だ。「中入りが2回あるので、中入りの後に若い人が出ていただける。(トップバッターを含め)3人の若い人にチャンスがある」と文枝。一方で「東京で漫才の人が(公演時間を)短くして2回公演にしたことで、お客さんが減ったという話を聞きましたので、反対に僕らは長くしようと」とも話した。

 一般社団法人漫才協会会長を務める漫才コンビ「ナイツ」塙宣之は、自身が先導して浅草東洋館の「漫才大行進」を2部制にしたところ「今のところ大失敗」と自身のYouTubeチャンネルで吐露。「この前の1部は9人。2部も50人ぐらいしか入っていない。今までは100人ぐらいいたんですけど」などと打ち明けている。

 文枝は「家に帰るより、ゆっくりとそこにいたいという気持ちがあるのでは」と昼から夜まで寄席で長居をしたい演芸ファンのニーズがあるのではないかと分析。さらに東京のもうひとつの演芸協会に関して「驚いた」というエピソードを披露した。

 「驚いたのは東京の(一般社団法人)落語協会。(6月に林家)正蔵師匠が会長になって『繁昌亭のように自分たちの寄席を持ちたい』と(話した)。

僕たちは逆に力を持つ席亭がいらっしゃることで(噺家にとっては)楽なところがあると思う。(なぜなら)噺家が噺家の出番を決めるのは非常に難しいところがある。(逆に)向こうからしたら非常にうらやましい思いをお持ちなんでね。そこを僕らはもう一度見直したい。どうしたら面白くやれるかを考えていきたい」と席亭不在で、落語家の自主運営によってまかなう繁昌亭の強みで「活気を取り戻したい」と語気を強めた。

 仁智も「(20年前までは)ホームグラウンドがなかった。『どこで出てはるんですか』と聞かれたら『谷町六丁目の角です』と幽霊みたいなもんやった。前と違って中堅、若手が育ってます」と定席を持つ強みを強調していた。

 「二十周年記念特別公演」のトリは、15日から順に、桂文枝、桂南光桂文珍、桂米団治、月亭八方、桂春団治、笑福亭仁智、笑福亭福笑、桂福団治が務める。19日まではチケット完売で、20~23日も完売間近。

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