◆テニス ▽全米オープン予選第3日(26日、米国・ニューヨーク)

 【ニューヨーク26日=吉松忠弘】今季限りでの引退を発表し、全米が現役最後の4大大会となる元世界ランキング4位の錦織圭(ユニクロ)が、全米では2021年以来5年ぶりの本戦入りに王手をかけた。今年の全仏オープン・ジュニア準優勝で、16歳の米国期待の若手、マイケル・アントニウス(米国)に6-4、6-4で勝ち、念願の本戦入りに残り1勝と迫った。

本戦入りをかけ、後輩で世界157位の坂本怜(IMG)と現地時間27日に対戦する。

 力が抜け、ムチのようにしなる錦織独特の腕が、おもしろいように球を打ち続けた。しっかりと力が球に伝わり、「気持ちよくプレーできた」。相手は期待の若手とはいえ、「トップ100に比べるとスピードもなかった」。自分の調子の良さと相まって、ストレート勝ちだ。

 予選1回戦を勝った後には、「1勝が目標だった」と話した。しかし、すでに2勝をし、最後の4大大会で、本戦入りに王手をかけた。「調子が上がってきて、余裕も出だして」、自分がやりたいプレーを、何ポイントか出したという。

 忘れるのが得意な錦織らしく、それがどのポイントか覚えていないという。しかし、「リスクもあるし、コーチに怒られるかもしれない。でも、振り切っているな、楽しいなと感じた」。その楽しさこそ、彼にとっての試合の醍醐(だいご)味だった。

 引退を決めた選手が、予選1回戦でシードを下し、同2回戦は16歳の有望株に快勝。この日の練習では、「(体が)痛すぎて動けない」と言っていたという36歳が、ついに本戦入りに王手のところまで勝ち上がった。

 錦織が4大大会に初めて挑戦した2007年から20年目。50回の歴史を刻み、4大大会シングルス本戦の通算104勝(46敗)は日本男女を通じてダントツだ。2番目は佐藤次郎(故人)の32勝(9敗)となっている。

 初めて4大大会本戦に出場したのが2008年ウィンブルドンで、1回戦で腹筋を痛め途中棄権したが、18歳5か月での出場は、日本男子最年少だった。また、2008年全米で1回戦に勝ち、4大大会本戦初勝利。18歳7か月での本戦勝利は、これも日本男子最年少での勝ち星だった。

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