水玉、網目模様やカボチャのオブジェなどで知られる世界的な前衛芸術家・草間彌生(くさま・やよい)さんが14日、多臓器不全のため東京都内の病院で死去していたことが27日、公式サイトで発表された。97歳。

葬儀は近親者で行われた。1990年代以降に世界で評価が高まり、奇抜なデザインは世代を問わず愛された。後日、お別れの会を開く予定。

 みまがうことのない独創的なデザインと色遣いの作品で世界中の注目を集め、作品に勝るとも劣らないインパクトを放つ真っ赤なおかっぱ髪がトレードマークだった草間さんが、天寿を全うした。

 この日、草間彌生記念芸術財団は「前衛芸術家としての国際的な活動に全てを捧(ささ)げ、亡くなる直前まで絵筆を手放すことなく、愛による世界の救済という信念を貫き通した97歳の生涯でした」とコメント。関係者によると、死去する6週間前に脳出血を起こし、意識が戻らなかったという。

 10歳の頃から描き始めた絵は、幼い頃から幻覚や幻聴に悩まされる中で、頭に浮かんできた水玉や網目模様がモチーフ。子供時代に、すでに「原点」は誕生していた。1957年に渡米後は前衛志向がさらに強まり、絵画から立体作品などへと表現を広げた。ベトナム反戦を訴え、裸の男女に水玉を描くなどの街頭パフォーマンスで注目され「前衛の女王」「ハプニングの女王」と称されるように。ニューヨーク発の「クサマ・ハプニング」として強烈な印象を与え、最先端の潮流に身を置いた。

 73年に帰国したが、あまりにアバンギャルドなスタイルから正当に評価されない時期が続き、視線を再び海外へ。

93年のベネチア・ビエンナーレ国際美術展で日本代表作家に起用されたことが転機となり、国内でも“逆輸入”の形で評価が高まっていった。2008年には、アートオークション「クリスティーズ」に出品された作品が10億円を超える値で落札されたことも話題となった。

 12年には、フランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」とコラボレーション。ポップな作品は世代や分野を超えて愛されると同時に、難解なイメージのある現代アートを、美術の枠を超えて幅広い世代が楽しめるポップなアイコンへと昇華させた。

 国内では瀬戸内海の直島(香川県)に設置されたオブジェ「南瓜(かぼちゃ)」や、松本市美術館(長野県)の「幻の華」、東京都庁の本庁舎展望室にある「都庁おもいでピアノ」など、公共の場に設置された作品も数多く存在。そのいずれもが「SNS映え」するスポットとして、人気を博していた。

 ◆草間 彌生(くさま・やよい)1929年3月22日、長野県松本市生まれ。49年に京都市立美術工芸学校卒業。小説家としても活動し、83年の「クリストファー男娼窟」は野性時代新人文学賞受賞。2003年、フランス芸術文化勲章オフィシエを受ける。09年文化功労者、16年文化勲章受章。

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