◆テニス ▽全米オープン予選最終日(28日、米国・ニューヨーク)

 【ニューヨーク28日=吉松忠弘】今季限りでの引退を発表した元世界ランキング4位の錦織圭(ユニクロ)が敗れ、現役最後の4大大会が終わった。前日の降雨のため、この日に延期となった予選決勝で、後輩で、世界157位、20歳の坂本怜(IMG)に4-6、6-7で屈し、2007年に全米予選に出場して20年目、50回目の4大大会に幕が下りた。

錦織に残された出場大会は、9月30日開幕の木下グループ・ジャパン・オープン(東京・有明)だけとなった。坂本は、今年の全豪以来、2度目の4大大会本戦出場となった。

 ネットの向こうで、坂本が、喜びでコート上に転がっていた。「寝てるわ(笑)」。錦織は、そう思いながら、4大大会最後の握手をし、ベンチに座った。タオルをかぶる。「最後のろうそくの火が彼にすべて消された」。そして「すがすがしい気持ち」が、心にわいてきた。

 ただ勝負師の火はまだ消えていない。実は「未練は全然ある」という。「今日の試合も全然良くなくて、納得いく試合ではない」。そして、錦織節の「出し切ってないけど、出し切ったみたいな複雑な気持ち」。

最後は「やり切ったって言いたいが、やり切ってない部分もあるし。当たって砕けろで、砕けた感じ」と、苦笑いだ。

 錦織がコートを去り、スタッフと会ったときの第一声は「練習ですね」だったという。最後の木下グループ・ジャパン・オープンまで約1か月だ。引退を発表し、その後は、常に「ジャパン・オープンで変なプレーを見せられない」と強調してきた。

 残るは最後の舞台のみ。「ちょっと一回、火が消えたので」。しかし、「練習したい気持ちは全然あるので」。少し休んで、ジャパン・オープンのために始動する。そして1回戦は「最高の試合で(坂本)怜にリベンジしたい」だ。

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