北海道マラソンは30日午前8時30分スタート、札幌駅前通発着の42・195キロで争われる。初挑戦の大阪マラソン(2月)で超積極的な走りを見せた吉田響(24)=サンベルクス=はレース前日の29日、札幌市内の豊平川河川敷などで最終調整を行った。

早朝に約10キロをゆっくりしたペースで走り、午前11時過ぎにも約8キロを軽く走った後、9割ほどのスピードで150メートルを4本、軽快に走った。大会前日に合わせて約20キロを軽く走った吉田響は「調子はいいです。しっかり練習を積めました」と落ち着いた表情で話した。

 吉田響は約半年前に大阪で初マラソンに挑戦。7・8キロでペースメーカーを置き去りにして独走すると、中間点を1時間1分54秒、30キロを1時間28分7秒で通過した。30キロの日本記録は松宮隆行が2005年にマークした1時間28分0秒。マラソンの通過ながら、30キロの日本記録と同等のタイムで走破した。35キロ以降に失速し、2時間9分35秒で34位に終わったが、積極果敢な走りと顔を含めて全身に貼り付けた黒のテープなどで成績以上のインパクトを残した。

 2度目となる北海道マラソンに向けて「今度はペースメーカーを追い抜かないようにします」ときっぱり。超個性派ランナーは、普通のマラソンランナーであれば当たり前の戦略を表情を引き締め、意を決して語った。

 デビュー戦の大阪マラソンでは集団のペースを遅く感じてしまい、集団を飛び出すことになってしまった。今回、男子のペースメーカーは1キロ3分5~6秒(5キロ15分25~30秒)でレースを引っ張る予定。

瀧川大地専任コーチ(38)は「北海道マラソンに向けては1キロ3分5秒前後のペースでもストレスを感じないようにする練習を重ねてきました」と説明した。吉田響は「30キロまで余裕を持って集団で走ります。30キロ以降にペースを上げたい」と戦略を隠すことなく明かした。

 夏マラソンの北海道は男子は2時間12分以内の日本人3位以内、女子は2時間32分以内の日本人3位以内の選手がMGC(28年ロス五輪マラソン日本代表選考会、27年10月3日、名古屋)の出場権を獲得する。吉田響は大阪で獲得できなかったMGC出場権を確実にゲットした上で優勝を目指す。「目標は大会記録(2時間10分13秒、1998年、エチオピアのアンベッセ・トロッサ)を更新して優勝です」と意欲的に話した。

 レース当日の天気予報は曇り時々晴れ。最低気温が15度、最高気温が22度。トップランナーがゴールする時間帯は20度まで上がらない可能性があり、近年の北海道マラソンでは異例の好条件となることが期待されている。

 ゴールタイムは1キロ3分5秒ペースで2時間10分6秒、1キロ3分6秒ペースで2時間10分48秒になる。「今回は涼しいと聞いていますので、2時間8~9分台も想定しています」と吉田響は後半に劇的なペースアップを狙っている。

 大阪では前半にレースを盛り上げた吉田響は、北海道では終盤にレースを盛り上げるつもりだ。

未知数の能力を秘める24歳が北の大地で激走を期す。

 男子は、小山裕太(32)=トーエネック=、荒生実慧(26)=NDソフト=、湯浅仁(25)=トヨタ自動車=、鎧坂哲哉(36)=旭化成=らが招待選手。マラソン元日本記録保持者の設楽悠太(34)=西鉄=、今年1月の箱根駅伝で青学大の3連覇に貢献した塩出翔太(22)=旭化成=らがエントリー。学生では創価大の山口翔輝(3年)、青学大の村上直弥(4年)らが挑戦する。

 女子は、マラソン日本歴代3位(2時間19分24秒)で1万メートル日本記録(30分20秒44)の新谷仁美(38)=積水化学=、1万メートル日本歴代3位(30分45秒21)でマラソン初挑戦の不破聖衣来(23)=三井住友海上=らが出場する。

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