今年は、酷暑日なんていう今まで以上に暑い日を指す言葉も作られましたが、まもなく、またものすごく暑い日々がやってきます。

今日は、その前の今の時期に大事と言われる暑熱順化についての記事に注目しました。

洋服やエアコンの準備など身の回りを夏モードに これも暑熱順化!

最近、耳にする機会も増えている「暑熱順化」は、「本格的に暑くなる前に体を慣らすこと」ですが、具体的に何をすればいいのか。改めて専門家に伺いました。地球温暖化が脅かす体温など生体の測定技術を開発する、バイタレート株式会社の最高経営責任者で、早稲田大学名誉教授の永島計先生のお話です。

「バイタレート」最高経営責任者 早稲田大学名誉教授 永島計先生

「一般的には、よく汗をかける体になるっていうのが暑熱順化って言われてるんですけど、例えば衣服の調節とか、社会的なインフラとか、冷房早く使うとか、そういうのも含めて暑熱順化っていうふうに、あの、もちろんやっぱり、体力的な問題ですね、汗をかける体にもっていくと、ちょっと暑くなったところで、運動をちょっと強めにしておくっていうのも大事なんですけど、例えば高齢者の方だったら、動くのは大事ですけど、若い人に比べて、急に汗がガンガンかけるようになるわけではないので、例えば衣服の調節とか、お水を用意するとか、エアコンのセットアップするとかっていうのも一つ大事で、それも暑熱順化ってことに含めていいんじゃないかなっていう風には思います。」

もちろん、運動など体を動かして、汗をかける体にしておくのは大事。ただ、それだけではなくて、洋服やエアコンの準備などの身の回りのものを夏モードに替えておくことも大事なので、それらも暑熱順化と考えて欲しい、と。

意外と、洋服や布団などの衣替えとか、エアコンの掃除とか、面倒ですよね。早めにやればいいと思ってはいるけれど、ということもありますが、夏の前はそれらも暑熱順化と思って準備しましょう!

暑熱環境では老化や疾患リスクが上がってる!?

こうした暑熱順化は熱中症対策として重要なわけですが、記事の中に、ドキッとする文章を見つけました。それは【暑さによる熱ストレスで老化や疾患リスクを間接的に上げる可能性がある】というもの。

これは、アメリカの研究者らが学術誌で発表したものなのですが、永島先生にその内容について、教えていただきました。

「バイタレート」最高経営責任者 早稲田大学名誉教授 永島計先生

「集団の中で、暑熱環境、暑くなる、なりやすい所に住んでると、遺伝学的に見た疾患リスクが上がってるんじゃないかっていう研究が出てきたっていうんで、まあ、まだしょっぱななので、証拠が充分じゃないところがあるんですけど、興味深いかなっていうふうに考えてます。

ちょっとびっくりしちゃうんですけど、老化っていうと、例えばシワが増えるとかシミが増えるとか色々あるんですけど、そういうのを引き起こすような大元になる遺伝子の部分の変化っていうのを見てるので、実際に暑さの中でシワ増えるとかシミができるとか、病気のリスクがホントに上がるのかっていうと、まだ充分じゃないんですけど、その引き金になる部分の遺伝子の変化っていうところがあったっていうところで、影響を与えていると。

まあ、暑さそのものなのか、体温なのか、あるいはそういう環境の変化によってなってるかどうかっていうのは、ちょっと分からない部分が多いので、これからかな、っていう感じです。」

まだ始まったばかりで、これからの研究ということですが、なんだか怖い話ですよね。

最近は、夏の一時的な暑さ対策を超えて、身体に対する、暑さの中長期的な影響も注目され始め、研究が行われているんです。

今回の研究発表は、アメリカ国内の高齢者4000人弱ほどの、色々な地域に住む人を対象にした調査ということで、かなり大きな集団解析であることは確か。

ただし、まだまだ充分じゃない部分もあるので、これからだ、と。

永島先生は、実際の病気や老化の指標が大事なので、例えば、腎臓の機能の変化とか、血管の硬さ、そういうものが直接的な老化に繋がるので、そうした部分との関連などを調べていく必要がある、と話していました。

暑さはそんなに体に負荷がかかるの?

それにしても、暑さ、というのは、それほどまでに体に負荷かかるものなのか?改めて永島先生に伺いました。

「バイタレート」最高経営責任者 早稲田大学名誉教授 永島計先生

「かかりますね。暑さがあると、実際に体温がそんなに上がらなくてもですね、我々は体温を上げないようにとっても頑張るわけなんですね。なので、すごい汗かいたりとかして、対応しようとするんですけど、汗かいたりとか、色んな身体の変化っていうのは、基本的には24時間対応できるようなものではなくて、わりと短期的なものなので、すごい汗かかないと、体温を調整できないような環境っていうのは、やっぱり負荷としては、我々の身体にとって、とても大きいものだっていうのがあると思います。

なので、恒常的に暑いとか、対策が取れてないって、負荷がずっとかかるっていうのはあんまり良くない。

そうですね、あの~何もしないっていうのが一つの手なんですけど、なかなか産業活動止めるっていうわけにはいかないので、自分もやってることなんですけど、科学の力で色んな仕組みを全体で作っていって、対策をしながらやっていく必要があるのかなっていう風に考えています。」

汗をかくというのは、身体の対応としては短期的なものだから、ずっと暑いというのは身体にとっても負荷がかかってしまうんです。だからこそ、最初に言った、身体だけじゃない暑熱順化が大切になります。

本当は暑い間は、何もしないで静かにしていれば一番いいんですけど、それは無理。

永島先生も、その予防と対策のための専門の会社を作って研究を続けていますが、暑さへの対策は、もはや個人でがんばるものではなくて、社会全体で取り組む必要がある、大きな問題になっている、と実感しました。

今年の夏も全国的に平年より気温が高い予想です。

身の回りのものを含めた暑熱順化、しっかりやって、今年の夏をなんとか乗り切りたいですね。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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