今日は、「タンカん板」という、ちょっと珍しいもののお話です。私も初めて聞きましたが、いったい何なのでしょうか?

目に付いて、誰でも使える状態にするために、看板をタンカに!

「タンカん板」を開発した、滋賀県草津市の会社「クラウドナイン」代表取締役社長の和田紀久さんにお話を伺いました。

「クラウドナイン」代表取締役社長 和田紀久さん

「街中の看板がいざという時にタンカに変わるっていう商品ですね。

開発のきっかけは、私の地元の駅で、階段のところで血を流して倒れていた小学生がおられたんですけれども、それを誰も手を差し伸べることなく、通り過ぎて行ったところを見てしまって、でも、それでいいのか、ホントにそれでいいのかっていうところから、でも、いざ助ける道具が周りにあるかって言われたら、まったく無いっていうところも気づいたんでね。そういう道具があれば、みんなが助けられるんじゃないかなって考えましたね。

タンカを置くっていう形も考えたんですけど、邪魔になるとか、置いていてもホコリだけ被って誰も見ない状態だったんで、それじゃダメだと。目に付いて、誰でも使えるような状態にしたいっていうところを考えて、じゃあ看板やったら、邪魔にならない、人目に付くところに置く、それがタンカに変わればっていうのを考えて、タンカを看板に変えたんですね。」

タンカになる看板なんです!

タンカん板ってなんぞや?!の画像はこちら >>
<普段は看板です>
タンカん板ってなんぞや?!
<いざという時は・・・裏面のスタンドをサッと外して>
タンカん板ってなんぞや?!
<タンカになります!>

タンカん板の大きさは、縦216センチ、横は98センチと60センチと二種類。スタンドタイプと壁掛けタイプがあり、それぞれに大小があります。

フレームはアルミ製で、小学生の握力でも握りやすい形状にしており、小学生ならだいたい6~8人で、大人を運ぶことができるということでした。

表が看板で、裏面をタンカとして使いますが、裏は発泡スチロールを使っていて、とっても柔らかく、寝心地がいいって言われる、と和田さん。

タンカ部分の耐荷重量は100キロ以上、なのに、水に浮くんです!水害時には、ビート板のように捕まってもいいし、小学生なら上に乗せても大丈夫!

周りの方にも、この看板いいねって言われます!

困っている人をすぐに助けられる社会へ、という思いで開発した、このタンカん板。ですが、最初は、ホントにタンカになるの??となかなか話を聞いてもらえなかったり大変でした。そこで、地元の小学校に寄贈して、先に子供に知ってもらうという策に。徐々に広がって市役所や競技場、イベント会場、病院、建設現場などに置かれ始めています。

実際にタンカん板を選んだ方に、お話を伺いました。同じ草津市のエステ店「ビューティーサロンプリューム」の稲田静美さんです。

「ビューティーサロンプリューム」 稲田静美さん

「目立ちにくい奥まった場所にサロンがあるんですね。で、看板は探していたんです。お客様からタンカん板のことを聞きまして、社会貢献が出来る、こんな看板があるんだっていうことで。いや、すごいなと思いました。その発想もそうですし、防災への取組みとか、助け合うとか、なんかすごい良いことだなと思って決めました。

お友達サロンの方とかも、看板いいねって、おっしゃるんですけど、ちょっとお値段言うと、正直引かれるんですね(笑)。そうですね、ホントに割高です。でも、やっぱりそれくらいするのかなと思いました。やっぱりタンカになる看板なわけですし。

あ、書いてありますね、下の方に。【この看板はタンカになります】って。ちゃんと見ていただくと目立ちますし、あと、結構、小学校とかに寄贈されたりしてるんですね、この地域では。

で、なんか小さなお子さんの方が、「タンカん板や」って、始めのころ言っていただいててビックリしました。はい、何かあった時には役立つだろうと思っています。日頃は忘れてる感じですけど。」

評判良さそうですね。気になるのは、ちょっと割高かなという点。実際、和田さんも、手作りなのでどうしても割高になっちゃう、とは言っていました。

ただ、一般的な看板に比べると軽るめなので、こちらのサロンは、イベントなどに出店することもあり、持って行って、いざという時に役に立てば、と考えて決断した、ということでした。

タンカん板ってなんぞや?!
<稲田さんのエステサロン「ビューティーサロンプリューム」のタンカん板>

そして、お店の前を通る小学生から「あ、タンカん板や!」と言われてましたが、学校で見かけるおかげで、ちゃんと認知度が上がっていますね!

「この形はタンカ」と知ってもらいたい

現在、関西地区を中心に300か所に導入されていますが、もちろん、まだまだがんばりたい、と和田さんはおっしゃいます。

「クラウドナイン」代表取締役社長 和田紀久さん

「理想は、もうこの形はタンカっていうところを知っていただければベストですね。

街中に一台ずつタンカがあるっていうのをイメージして、今、草津市でコミュニティバスとかの停留所を全部タンカん板に替えていこうということで運動してますね。もう、どこにでもAEDのような形で、それ以上にタンカん板があるっていうイメージを作っていただけたら、一番嬉しいですね。

でも、ホンマにね、こないだも、京都の二条城の方で人を助けていただけたんで、タンカん板でね。人を助けられたっていうのをお聞きしたんで良かったです。

係の方が持って行かれたと思います。表にあるので、すぐに取りに行けた、あ、タンカで運ぶ、って、すぐに動けたっていうのがあると思いますね。やっぱ、これで人を助けられたっていうんで、作ってよかったなって思いましたね。」

タンカん板ってなんぞや?!
<実際のタンカん板のバス停 写真はすべて「クラウドナイン」提供>

現在、市内のバス停をタンカん板に替えよう!と働きかけています。でもバス停なら、地域ごとに一つ、必ずタンカがある、という状況になりますね。

毅郎さんからの、タンカとして使ったら、バス停がなくなっちゃうの?という疑問は、たしかに!ですね。後日、問い合わせたところ、基本的には、運び終わったらすぐに元に戻す想定、とのことでしたが、写真の右手のバス停の土台近くにA4ファイルがありますが、このような形で、時刻表を付けておくということも考えているそうです。

実際に、先日、二条城でタンカん板が使われ、感謝のお手紙が届いたそうで、本当に作ってよかった、と、とっても嬉しそうでした。

大きな地震や豪雨災害、今の時期は、熱中症で倒れる人もいるかもしれません。いざという時のために、自分の身近にもあったらいいな、と思いました。ぜひ、広まってほしいですね!

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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