「ただの夏風邪でしょ?」と油断していませんか?今年、全国的に感染が急拡大し、2年ぶりに警報レベルの目安を超えている「手足口病」。特に乳幼児に多い感染症ですが、実は子どもだけでなく、看病する親にも感染して重症化するケースが相次いでいます。

今回は、パピコワクリニック五反田・田町三田駅前内科の統括院長で総合内科専門医の岸本久美子先生のお話をもとに、手足口病の症状や家庭でのケア、そして見落としがちな感染予防のポイントを詳しく解説します。

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「手足口病」の症状と大人への感染リスク

手足口病は、主に4~5歳以下の乳幼児を中心に流行するウイルス性の感染症です。感染すると、その名の通り手、足、口の中に水疱(水ぶくれ)のような赤い発疹ができるのが大きな特徴です。また、お尻の周りにも発疹が出ることがあります。熱が出るケースは約3分の1程度で、多くの場合は微熱や熱が出ないまま経過しますが、口の中の発疹や口内炎がひどくなると痛みでご飯や飲み物が摂れなくなってしまうことがあります。

同じく夏場に流行する「ヘルパンギーナ」も手足口病と同じエンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因で、喉の奥に水ぶくれができて39~40度の高熱が出やすいのが特徴ですが、どちらも大きな括りではいわゆる「夏風邪」の一種です。

大人も危険!?今年は警報レベル”手足口病” 痛がる子どもへの対策&予防法を解説

ここで特に注意したいのが、大人への感染です。手足口病は子どもだけの病気と思われがちですが、大人が感染すると子ども以上に症状が重くなることがあります。「足の裏に大きな水ぶくれができて激痛で歩けない」「抱っこするのも痛くてつらい」といった症状に苦しむお母さん・お父さんも少なくありません。さらに、一度かかったからといって安心はできず、原因となるウイルスの種類が何種類もあるため、ワンシーズンで何度も再感染してしまう可能性もあります。

特効薬のない手足口病:家庭での正しいケアと登園の目安

手足口病やヘルパンギーナと診断された際、驚かれる保護者の方も多いのですが、実はこれらのウイルスを退治する特効薬や抗生物質はありません。基本的には熱や痛みを和らげるお薬を使いながら、1週間ほどで体が自然治癒するのを待つ「対症療法」が中心となります。

そのため、家庭で一番大切になるのが食生活の工夫と脱水症状の防止です。子どもが喉の痛みを訴えている時は、熱い飲み物や刺激のある食べ物は避け、冷たい水や麦茶、スポーツドリンクなどをこまめに与えるようにしましょう。

食事も普段通りの固形物は食べづらいため、諦めてゼリーやプリン、冷たいうどんなど、噛まずにのどごし良く食べられる柔らかいものを用意してあげるとスムーズです。

また、気になる保育園や幼稚園への登園目安ですが、実は明確な出席停止期間が定められているわけではありません。熱が下がり、普段通りご飯が食べられて元気が戻っていれば登園して大丈夫です。ほかの子にうつしてしまうのでは、心配されるかもしれませんが、なぜ発疹が残っていても登園して良いのかというと、手足口病のウイルスは症状が治まった後も、2~4週間という非常に長い期間にわたって便から排出され続けるからです。つまり、症状が出ている間だけ休ませても完全に周りへの感染を防ぐことは難しいため、「元気に動けて食事ができれば登園OK」という考え方になっています。

症状が消えても油断禁物!二次感染を防ぐ予防法

だからこそ、家庭内での二次感染(親への感染)対策は「症状が消えてからもしばらく続けること」が最大のポイントになります。特におむつ交換の際や、子どもがトイレに行った後は、保護者も子どももしっかりと石鹸と流水で手を洗う習慣を徹底してください。タオルの使い回しも感染を広げる原因になるため、感染したお子さん専用のタオルを用意するか、使い捨てのペーパータオルに切り替えるのがおすすめです。

いずれにしろ、症状が出たら、自己判断で済ませず、早めに医療機関を受診するようにしてください。

(TBSラジオ『BRAND-NEW MORNING』より抜粋)

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