ゲストは、株式会社竹中工務店 開発計画本部 グループ長の田島勇気(たじま ゆうき)さん。1899年に創立し、東京タワー東京ドームをはじめ、大阪・関西万博の大屋根リングなどの名だたる建築物を手がけてきた竹中工務店。

建設現場でどうしても出てしまう廃棄物を、新たな商品に”アップサイクル”させる取り組みも行っているんだとか。おどろくような生まれ変わりで、資源を未来に“継ぐ”竹中工務店の取り組みをうかがいます。

東京タワーも、大屋根リングも。

西田 竹中工務店はどのような会社なのでしょうか?

田島 1899年に創立した総合建設会社です。

コンクリート片コースター、木くずルームフレグランス!? “廃...の画像はこちら >>

西田 100年以上の歴史を誇る、いわゆる「ゼネコン」と呼ばれる会社ですね。

田島 はい。設計から施工まで、一気通貫で手がけています。

西田 日本のゼネコンは、大規模な建物でも工期をしっかり守りながら、高い精度で施工する技術力を持っていますよね。

田島 わたしたちも、その技術力を強みとしています。経営理念は「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」です。

西田 竹中工務店が手がけた代表的な建物はなんですか?

田島 東京タワーや東京ドームが有名です。最近では、2025年に開催された大阪・関西万博の大屋根リングにも携わりました。

コンクリート片を、暮らしの道具へ

西田 竹中工務店では、建物だけでなく生活雑貨もつくっているそうですね。

田島 建設現場で出た廃棄物を生活雑貨に“アップサイクル”する新規事業を、2023年に立ち上げました。

西田 捨てられてきたものに、新たな価値を与える取り組みですね。

田島 建設現場では、「コンクリートガラ」と呼ばれるコンクリートの破片が出ます。それを小さく砕き、コースターなどの雑貨に生まれ変わらせています。

コンクリート片コースター、木くずルームフレグランス!? “廃材の未来”をつくる

西田 コンクリートならではの、硬くてしっかりとした手触りですね。

田島 素材を生かした風合いをたのしんでもらえたらうれしいです。

西田 この取り組みは、どのような経緯ではじまったのでしょうか?

田島 わたしが新規事業として立ち上げました。というのも、近年、解体工事が非常に増えているんです。

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西田 なぜ増えているのでしょうか?

田島 理由のひとつが、日本各地で進む再開発です。工事によって多くの廃棄物が生じる一方、最終処分場が満杯になりつつあるんです。

西田 廃棄物の新たな使い道を模索する必要があったということですね。

田島 多くのごみが生じる建設業界では、長年リサイクルに取り組んできました。

その質をさらに高めるべく、“アップサイクル”の取り組みに挑戦したんです。

西田 スクラップアンドビルドばかりでは、環境に悪影響を与えてしまいますもんね。すばらしい取り組みだと思います。

木くずで“空気”をデザインする

西田 ほかにはどのような雑貨を手がけているのでしょうか?

田島 竹中工務店では、木造ビルの建設が増加中です。その施工時に出る木くずを使い、インテリアブランドの「MOODE(モーデ)」さんと一緒に、ネクタイピンやピアスをつくっています。

西田 木くずも、アクセサリーに生まれ変わるんですね。ちなみに、木造ビルが増えている理由が気になります。

田島 耐火技術が向上し、木造建築でも高層化が可能になってきたことが理由のひとつです。

西田 なるほど。

田島 木くずをアップサイクルした商品として、現在はルームフレグランスも開発しています。

コンクリート片コースター、木くずルームフレグランス!? “廃材の未来”をつくる

西田 森林浴をしているような、いい香りがするんでしょうね。

田島 建材として使うカラマツやスギの香りを生かしたフレグランスです。

西田 商品名は「TSUGI-te」。継手(つぎて)とは、釘を使わずに木材を組み合わせる伝統的な技術のことですね。

田島 そのとおりです。それに加えて、資源を未来に「継ぐ手」や、竹中工務店の「次の一手」にもなってほしいという、3つの願いを込めています。

西田 トリプルミーニングになっていると。普段は空間を設計する建設会社が、木くずを使って“空気”までデザインするというのはおもしろいですね。

田島 社内でも、新たな取り組みとして応援してもらっています。「自分の現場では、こんな廃材が活用できそう」と、社員がいろいろと情報提供してくれるんです。

西田 現場で生まれた廃材を、次の価値へとつないでいく。すばらしい取り組みを応援しています。

コンクリート片コースター、木くずルームフレグランス!? “廃材の未来”をつくる

(TBSラジオ『見事なお仕事』より抜粋)

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