先日、千葉で豪雨により大きな被害がありましたが、今日は、こうした台風や線状降水帯など、最近増えている豪雨の怖さを体験できる施設に行ってきました。

100ミリの雨と300ミリの雨を体験できる実験施設

これは、茨城県つくば市にある、防災科学技術研究所で行われた、子どもたちの豪雨体験なのですが、どんな施設で、どんな雨が降るのか。大型降雨実験施設研究推進室長の酒井直樹さんに教えていただきました。

防災科学技術研究所 大型降雨実験施設研究推進室長 酒井直樹さん

「局所的な大雨、いわゆるゲリラ豪雨と言われるような、短い時間に強い雨、というのを再現する施設になっています。50m×75mの広さがあって、高さが16メートルある、そこから全面積に雨を降らせることが可能です。強いとこ弱いとことを設定することができて、今日は一つが100ミリ、もう一つが300ミリ、それを隣接させて雨を降らせています。

最近は10分間の雨量を気象庁が測っていて、それの最大値が50ミリ、あるいは55ミリみたいなのがあるんですね。で、それを1時間換算すると300ミリということで、100ミリっていう最近よく聞く豪雨とともに、瞬間的にはそういう雨が、その100ミリの中に降ってるかもっていうことで、両方の雨を体験できるようになってます。

そういう意味では、300ミリっていうのは降ったことが無いんですね。今までは153ミリっていうのが公式には最大の雨と言われていて、その中で300ミリというのは倍なので、なんだそれは、非日常だって言うんですけれども、短時間ではもう実際に降った雨ということで、実は日常に近づいてきているというところ、それを再現しました。」

施設はトンネルのように前後は壁がありません。天井にはパイプとノズルが張り巡らされており、そこから雨が降る仕組み。この日は、向かって左半分が100ミリ、右半分が300ミリの降雨エリアで、二つのエリアを行き来できるようになっています。

1時間に300ミリの豪雨を、体験から学ぶ。の画像はこちら >>
<こちらが大型降雨実験施設 左半分が100ミリの雨、右半分が300ミリの雨>

100ミリの雨というのは、バケツをひっくり返したような、とよく言われる雨量。(先日の千葉の豪雨の際の、一時間の最大雨量は115ミリだそうです)

また、近年の、瞬間的に強く激しく降った最大値の300ミリも知ってもらうため二種類の雨を降らせました。

実際に、私も、その300ミリの雨を体験しましたが、とにかく、傘に当たる雨音のすごさに驚きました。

周りには子どもとその保護者が200人ほどいるのに、雨にかき消されて何も聞こえない!

また、隣の隣の人は服の色も見えにくいほど周囲は白く煙っているし、とても怖かったです。

上下雨合羽、ヘルメット、防水のスニーカー、傘、という完全防備姿でしたが、たった10分間の雨で、スニーカーが半分浸かるほど水が溜まり、靴下までびしょ濡れ。さっきまで暑くて仕方なかったのに、ひんやりとしてきたのは本当に驚きましたし、傘が無い時に降られたら、かなり体が冷えるだろうな、と思いました。

1時間に300ミリの豪雨を、体験から学ぶ。
<300ミリの雨の様子 雨がこんなに写真に写ることが、どれほど激しいのかを表しています>

参加した子たちも、豪雨の怖さを実感

では、参加した子ども達の感想をお聞きください。

▼「小学五年生です。雨が打ち付けられてる音しか、もう聞こえなくなって、あの学校からの帰り道、この雨がずっと降ってたら、たぶん、めっちゃ怖いと思う。」

▼「中学一年生です。なんか傘が雨漏りしちゃったりして、いつの間にか穴開いてて、すごいな~って。」

▼「二年生です。実験だから、ここは安全で楽しかったけど、本当にこの雨が降ったら怖いと思う。」

▼「(小五男子3人組)■いや、めっちゃヤバかった!大丈夫だろって思って傘さして行ったら、雨が、なんだろうあれ?●めっちゃ雨に濡れて、寒くて明日風邪になりそう。★想像以上に怖かったっす。ほんとに雨のせいで視界が悪くなったり、300ミリのところだと、叫ばないと、相手に声が伝わらなくて大変でした。怖いから、ちゃんとこれからは、日頃から、これくらいの雨が急に降っても大丈夫なように、対策をしていきたいです。」

1時間に300ミリの豪雨を、体験から学ぶ。
<小学五年生の三人組 Tシャツが絞れるくらいびしょ濡れ お互い叫ばないと声が聞こえなかった!と驚いていました。>

みなさん、豪雨の怖さを実感したようでした。途中で傘をさすのを諦めた子や、長靴を脱いで、中の水を捨てている子もいました。

長靴の中に水が溜まるんですね。

降った中で低い所に水は溜まる それはハザードマップとは違うことも!

施設の地面は、茨城県内のアスファルトの道と同じ仕様ということですが、こんなに平らな地面で、しかも、たった10分でこんなに水が溜まるんですね、と酒井さんに聞いてみました。

防災科学技術研究所 大型降雨実験施設研究推進室長 酒井直樹さん

「ハザードマップそのものを見ても想像つかないんですよ。もし幸運なことにそれが外れていると、あ、安全なんだということになってしまって、あまり想像できないんですね。

実は短時間に強い雨が降るっていうのは、一番の問題は、その低い所に水が集まるので、一気にそこ水位が上がっちゃう。それはハザードマップとまた違ったところが上がる、その降った中での低いところって話になるので、なので、そういう意味では、住んでるところでどんな安全危険があるのかっていうことや、やっぱりハザードマップも見つつ、そういう危険ってないかな、要はそういう想像をするのが難しいってとこなので、今回のこういう雨の中を歩くっていうことをきっかけに、そういうことを考えてもらって、身近にある気がつかない危険とか、そういうのを色々話すキッカケになってくれればいいなと思っています。」

雨が溜まるのは、排水機能より降る量が上回ったときです。

実は、施設の地面は、私には平らに見えていたのですが、少しだけ勾配がついているので、低い所には水は溜まるんです。では、これが坂道だったらもっと水が溜まる?道路で長靴を脱いだら怪我をするかも?長靴は脱げやすい?周りの音が聞こえなかったら、車が来ても分からないかも?雨に加えて風も強かったら?今日は完全防備だけど、そうじゃなかったら?

・・・という風に、みなさんも普段から意識して周りを確認して、ぜひ備えてほしい、と、酒井さんはおっしゃっていました。

私も、いざという時のために、一度行動範囲を、意識して見てみようと思います!

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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