南海・日立と量子技術活用でシステム構築 なにわ筋線にも期待 ...の画像はこちら >>

OpenAI「ChatGPT」やGoogle「Gemini」など、生成AIが急速に普及し、私たちの暮らしはまるで未来の世界のように変わり始めています。こうした中、鉄道の現場でも先端技術の活用が進みます。

南海電鉄と日立製作所は、疑似量子コンピューター技術を応用し、乗務員や車両の運用計画を自動で作成・評価する新たなシステムの構築に乗り出しました。

量子コンピューターとは、量子力学の性質を利用して計算を行うコンピューターです。今回使う「CMOSアニーリング」は量子コンピューターそのものではなく、量子コンピューターの考え方を半導体回路で疑似的に再現した日立の独自技術。多数の条件を同時に満たす「組み合わせ最適化」を得意とし、大規模な冷却装置を必要とせず室温で動かせるのが特徴です。

乗務員運用計画は、1日あたり数百本の列車に乗務する運転士と車掌の配置を決める仕事です。労働時間や休憩時間だけでなく、食事や睡眠、出退勤場所、宿泊場所など多くの条件を同時に満たす必要があり、これまでは経験豊富な担当者の知見と手作業に大きく頼ってきたといいます。

車両運用計画も列車ダイヤをもとに、車両形式や編成条件、検査周期、留置線の収容能力などを考慮しながら、どの車両をどの列車に割り当て、翌日以降にどう循環させるかを決めます。事故や故障で運用が乱れた場合には、短時間で計画を組み直す必要も出てきます。

南海・日立と量子技術活用でシステム構築 なにわ筋線にも期待 乗務員・車両計画作業を短縮へ
量子技術を活用した乗務員・車両運用計画システムのイメージ
量子技術を活用した乗務員・車両運用計画システムのイメージ(画像:南海電鉄・日立製作所)

両社によると、2025年度に南海線で効果検証を行った結果、乗務員運用計画は従来の数カ月から約1週間に短縮。1カ月分の車両運用計画も、確認作業を含め約20日かかっていたものを数日程度で作成できることを確認したとしています。

システムは自動で計画案を作るだけではありません。乗務員数や拘束時間、休憩時間、検査を実施した車両数などの指標を計算して見える化し、担当者が複数案を比較できるようにします。

機械が一方的に結論を出すのではなく、定量的なデータをもとに担当者が最終判断する仕組みだということです。

今後はワンマン運転の拡大や、なにわ筋線開業に向けた将来輸送計画、災害時の対応計画「BCPダイヤ」の策定にも活用が期待されています。なにわ筋線は、大阪駅のうめきたエリアから中之島、西本町方面を通り、JR難波駅と南海新今宮駅へ分かれて結ぶ新路線です。2031年春の開業を目指しており、南海沿線や関西空港と、大阪・梅田地区や新大阪方面とのアクセス向上が見込まれています。

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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