「W杯から追放された審判」をUEFAが大抜擢 ソマリア人アル...の画像はこちら >>

アメリカへの入国が許されなかったアルタン氏 Photo/Getty Images

UEFAスーパー杯の主審に

パリ・サンジェルマンとアストン・ヴィラが激突するUEFAスーパーカップで、試合を裁く審判にも大きな注目が集まっている。

現地12日にオーストリア・ザルツブルクで行われる一戦を担当するのは、ソマリア人のオマル・アルタン氏。

昨季アフリカで最優秀審判に選ばれた実力者で、UEFAスーパーカップの主審を務める初の欧州外出身者となる。

アルタン氏を巡っては、2026年ワールドカップ開幕直前に騒動が起きていた。

W杯の審判員に選ばれていたアルタン氏は、米国側の審査上の懸念を理由に大会での担当を認められなかった。米当局はアルタン氏についてテロ組織との関係があると主張したものの、AP通信によれば、具体的な証拠は示されていない。

そんなアルタン氏に舞台を用意したのがUEFAだった。

UEFAはW杯で笛を吹けなかったアルタン氏を、欧州王者と欧州リーグ王者が対戦するスーパーカップの主審に抜擢。この起用はサッカー界から広く歓迎される一方、FIFAとの対立を深めるUEFAによる政治的なメッセージとも受け止められている。

現在、FIFAとUEFAの関係は、ジャンニ・インファンティーノ会長を巡る問題を背景に緊張が高まっている。UEFAは、インファンティーノ氏が進めようとしたW杯関連事業の売却構想などを巡り、退陣を求める動きを強めている。

そうした状況で、W杯では大会から外されたアルタン氏が、わずか3週間後に欧州サッカー界の重要な一戦で笛を吹くことになった。

本人にとっても今回の大舞台は特別な意味を持つ。

アルタン氏はUEFAのインタビューで、W杯を巡る出来事について「非常に厳しい時期だった」と振り返った。


「長年努力してきて、やるはずだったことができなくなるのは、とても厳しいことです。世界中から受けた支援に本当に感謝しています」

UEFAスーパーカップの主審を務めることについては、「とても誇りに思う」と話し、初めて担当する欧州の試合に向けてPSGとアストン・ヴィラについて入念に研究していることも明かしている。

一方、ピッチ上ではPSGが昨年に続く連覇を狙う。昨年のスーパーカップではトッテナムをPK戦で下しており、現行方式ではレアル・マドリー以来となる連覇を目指す。

W杯では笛を吹けなかったソマリア人審判が、欧州王者を決める大舞台へ。アルタン氏の起用は、本人にとっての雪辱の場であると同時に、揺れるFIFAとUEFAの関係を象徴する人事となっている。

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