インファンティーノ包囲網が「FIFA再編」へ UEFA・Co...の画像はこちら >>

対抗馬と目されるモンタリアーニ氏 photo/Getty Images

FIFA分裂の現実味が増す

ジャンニ・インファンティーノ会長率いるFIFAに対する反発が、単なる退陣要求から世界サッカーの運営体制そのものを見直す動きへと発展している。

英紙『The Guardian』によると、UEFA、Concacaf、AFCの3連盟が、FIFAに代わる、あるいはFIFAを大きく改革するための新たな運営体制について協議を進めているという。



きっかけとなったのは、インファンティーノ氏が進めようとしたW杯事業の売却構想だ。FIFAがW杯の権益の21%を外部に売却する計画を打ち出したことで、各大陸連盟から強い反発が起きた。

UEFA、Concacaf、AFCはFIFAに対して独立した調査を求めてきたものの、インファンティーノ氏側が応じなかったことから、3連盟は自ら改革案を作る方向に動き始めたとされる。

現在協議されているのは、FIFAがそもそも何を担うべきなのか、組織をどのように構成するのか、そしてどのようなガバナンスモデルを採用するのかといった根本的な問題だ。

さらに、FIFAが加盟協会に分配する資金のあり方も重要なテーマとなっている。FIFAが保有する約50億ドル(約8000億円)の準備金を、世界のサッカーにどのように還元するべきなのかについても検討されているという。

事態がさらに進めば、来年のFIFA会長選挙でインファンティーノ氏に対抗する候補者の政策として、この新たな枠組みが採用される可能性がある。

さらに深刻なのは、FIFAとの決裂が続いた場合、FIFAとは別の組織を立ち上げるためのひな型になる可能性まで指摘されていることだ。

UEFA、Concacaf、AFCは先日、「サッカーを支えるリーダーシップであり、サッカーを支配しようとするものではない」とする共同声明を発表。FIFAとの対立が解消されなければ、新たな大会を開催する可能性についても予備的な協議を始めたという。

すでにUEFAは、FIFAが独立した調査を実施し、今回のW杯売却構想のような問題を繰り返さないことを法的拘束力のある形で保証しない限り、FIFA主催大会をボイコットする姿勢を崩していない。

その影響で、来月開催される女子U-20W杯に欧州の代表チームが参加しない可能性も浮上している。


また、現時点でインファンティーノ氏の有力な対抗馬と見られているのがConcacafのビクトル・モンタリアーニ会長だ。本人は来年のConcacaf会長選に集中しているとしながらも、今年のFIFA総会では「リーダーシップとは権力ではない」と発言していた。

UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長も、欧州クラブ協会のナセル・アル・ケライフィ氏らとFIFAのトップ交代を求める動きを強めている。

インファンティーノ氏への反発は、もはや一部の加盟協会による批判ではない。FIFAの運営そのものを再設計しようとする動きへと発展している。

W杯の権益売却構想をめぐる騒動が、インファンティーノ氏の進退だけでなく、世界サッカーの統治構造を揺るがす事態にまで発展する可能性が出てきた。

編集部おすすめ