オールブラックスはスプリングボクスへの”恐怖心”を払拭できる...の画像はこちら >>

今シーズンからオールブラックスの指揮を執るデイブ・レニーHC photo/Getty Images

33-16とスコア差は開いたものの……

ラグビーニュージーランド代表(以下オールブラックス)と南アフリカ代表(以下スプリングボクス)とのテストマッチが南アフリカで現地時間の8月23日に開催され、オールブラックスが33-16で勝利した。この対戦は8月の初頭から9月中旬にかけて行われるオールブラックスの南アフリカへの長期遠征、ラグビーズ・グレイテスト・ライバリー・ツアーの一環として行われたもので、ツアー8試合中4試合組まれたテストマッチの第1戦だった。



この両者のこの対戦までの通算対戦は110回あり、オールブラックスの64勝4分42敗ではあるが、前回のW杯が開かれた2023年以降の6回の対戦ではスプリングボクスが4勝2敗と勝ち越している。特に2025年9月の対戦では43-10と両代表の対戦史上最大の得点を挙げ、スプリングボクスがオールブラックスを圧倒した。

この試合も、昨年の圧勝を持続したかのように、試合当初からスプリングボクスが、世界一のフィジカルの強さを全面に押し出して、試合のあらゆる局面で圧力をかけ続けた。タフなことでは世界中のどのチームにも引けを取らないはずのオールブラックスの選手たちがキック処理後やパスを受けた後のコリジョンの場面で腰が引けていたのだ。結果、オールブラックスには珍しくターンオーバーを喰らう場面が多々見られ、得意のランプレイの繋がりを欠いた。スプリングボクスは優勢なコリジョンを活かし、トライとPGで得点を重ね13-12とリードして折り返す。

後半に入ると、スプリングボクスはFWのスロットルを全開にした。特に後半10分過ぎからの3本のスクラムは圧巻だった。ことごとくオールブラックスのスクラムを蹂躙し、その勢いのまま、何度もサイドを突き、トライラインに迫ったのだ。しかしここはオールブラックスが度々反則を犯しながらも守り、トライラインまで5mの地点で4回目のスクラム。ここもスプリングボクスは最大圧力でプッシュをかけたが、フロントロウの気合いが空回りしたか、スクラムに斜めに入り込んでスクラムを崩そうとしたという、いわゆる「アングル」の反則を取られ、ペナルティーキックで一気に中盤まで戻されてしまった。そしてこのスクラムでの反則はこの試合の流れまでも変えてしまった。
最大の危機を乗り越えたオールブラックスは息を吹き返し、決めるべきところで決めきれなかったスプリングボクスは意気消沈した上に、疲労というおまけまで背負うことになったのだ。スプリングボクスの突進からは少しづつ勢いが失われ、逆にオールブラックスの余裕を持った体勢からのオフロードパスがつながり始めた。勝負の分かれ目となったスクラムの後、2本のトライとコンバージョンを決めたオールブラックスが33-16というスコアで激戦を制した。

敗れたとはいえ、スプリングボクスの個々のプレイヤーのコリジョン時の圧力は凄まじいものがあり、実際にそのプレッシャーを体感したオールブラックスのプレイヤーにはその恐怖感は十分に残っていると考えられる。残り3試合でオールブラックスがこの恐怖感をどう払拭し、理想とするゲームプランに持ち込むか興味深い。またスプリングボクスにはオールブラックスを徹底的に追い込むような力強さを示して、より強い恐怖感を与えるような展開を望みたい。

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