結婚を機に共通口座を開設する夫婦が53.8%。かつての「一括管理」から、令和の夫婦は「共同管理」を通じた納得感のある家計設計へシフトしています。
令和の結婚トレンドは「納得感」重視!
昭和から平成、令和へ…。「結婚式」の意味が変容していった様子を、マイナビウエディング編集長 片山裕美さんに伺った。
まずは結婚式実施済み、または結婚式を挙げる予定のカップルの割合は59.1%と半数超え。写真のみを撮影する「フォトウエディング」を選択または検討しているのが14.6%。つまりは、何らかの形で結婚にまつわるイベントをすると決めているのは約74%、明確に「結婚式をしない」と決めているのは約26%となった。
昭和から平成、令和にかけて、その目的や形式は変容しつつある、とマイナビウエディング編集長 片山裕美さんは言う。
「昭和の結婚式には、画一的・形式的な側面がありながらも、結婚する夫婦当人以上に、[親や周囲が正しいと思うことを行う]ことに一定の価値があったように感じます。それが平成に入ると、ゲストハウスやカラードレスの流行、演出の自由化などを背景に、[自分たちらしさ]がキーワードに。結婚式に[正解]がなくなり、[派手婚][地味婚][ナシ婚]などさまざまな選択肢が生まれ、それが社会的にも許容されるようになってきました。そして令和では、平成の多様化を受け継ぎ、改めて[結婚を祝うこと]の自分たちにとっての意味を模索し、納得感を持って能動的に設計しようとする意識が強まっています」(片山さん)
昭和:家や社会のため、「正解を踏襲する」
平成:自分たちのため、「個性を表現する」
令和:人生の基盤となる絆のため、「納得感で設計する」
昨今の傾向として、プロポーズや結婚式に対して、プロポーズのシチュエーションや伝え方にこだわったり、結婚式でオリジナル演出や手作りアイテムを取り入れたりと、自分たちにとっての「特別な日」を主体的にデザインする動きが見られるという。
背景にあるのは、単に高価なものを贈るよりも、時間や手間をかけて思いを届けることに価値を見いだす感覚。人生の節目を「こなす」のではなく、自分たちらしくプロデュースしたいという意欲が強まっているのも令和の特徴の一つといえる。
令和の結婚式は「男性の積極参加」が増!
結婚式を挙げると決めた理由の上位には「親孝行」「感謝の気持ち」など、周囲のコミュニティとの関わりを強める意図も多くみられる。自分たちの満足度以上にゲストの満足度に配慮したり、家族との絆を確かめ合うことを重視する傾向が見られるという。
「例えば、家族だけで過ごすセレモニー時間を設けたり、金銭面を含めて家族が式づくりを後押ししたりするなど、比較的しっかりと結婚式を構成する層も増えています。多くの方が重視しているのは前例や慣習ではなく、[家族への感謝を伝えること][大切な仲間たちとあたたかい時間を共有し、心を通わせること]のようです」(片山さん)
結婚を祝うことが、ふたりだけのイベントではなく、「家族や友人との[絆]を強めるイベント」としての意味を強めていることが分かる。
さらに注目すべきなのは「男性の積極的参画」だ。片山さんによると、プロポーズでも結婚式でも、男性が積極的にライフイベントづくりに関わる傾向が見られるという。
プロポーズの演出アイデアを自ら考えることはもちろん、結婚式の内容決定、衣装選び、美容や体づくり、ヘアメイクへの関心まで、参加領域が広がっている。家族として人生を歩み始めるふたりが共同作業でつくるイベントとして捉える意識が強まっている。
そんな令和の結婚式には「人生の基盤作り」という意味が見え隠れする。夫婦が助け合いながらつくり出す「自分たちらしさ」や、家族や友人たちとの「あたたかい繋がり」は、ふたりの人生に欠かせない大切な要素と捉えられているようだ。
挙式→披露宴→新婚旅行フルコースの平均額は?
マイナビウエディング「結婚・結婚式の実態調査2025【結婚式版】【婚姻版】」 では、結婚式実施済み、または結婚式を挙げる予定のカップル59.1%が費やす「結婚費用総額」はなんと約500万円という高額が平均額となっている。
項目 内容 平均額 プロポーズ 婚約指輪 43万9,948円 結婚式 結婚指輪 37万3,037円 前撮り・後撮り 18万8,000円 挙式・披露宴 315万9,000円 新婚旅行 国内旅行 55万8,000円 海外旅行 110万3,000円 総額平均 *新婚旅行の、国内旅行と海外旅行を平均して算出 499万485円
中でも高額なのは挙式・披露宴の約315万円。「結婚式づくりに関する調査で目立つのが[ゲストに楽しんでもらいたい][感謝を伝えたい][みんなで楽しい時間を共有したい]というおもてなし意識の高さです。主役として見られたいというより、本当に心許せる人たちとフラットに心地よく交流できる場にしたいという思いが強いようです」(片山さん)
高額支出に関しては、双方の両親からの援助が大きいという傾向も。
親からの援助:平均援助額※は177.4万円(両家合わせて)
結婚式をしたほうが、資産運用の目線合わせがうまくいく?
多かれ少なかれ、結婚や新生活にはこれまでの人生で発生しなかった額の支出がかかる。が、結婚後の夫婦のお金や資産に関する意識については、非常におもしろい結果が出ている。結婚を機として、生活する上での共同口座を開設したカップルは以下の通りの差が出ている。
結婚を機として、生活するうえでの共同口座を開設したカップルは以下の通り。結婚式という、人生に数回しか体験しない「支出」を経験した夫婦の53.8%が、結婚を機に共同口座を開設したのに対し、挙式しなかった人は14%と少数。一方で、挙式をするしないにかかわらず、新婚夫婦はさっそく貯金プラス何らかの割合で資産運用を始めていることが分かる。
「今の20~30代は、将来のためにしっかり備えておきたいという意識が非常に高いと思います。一方で、今を自分らしく人生を楽しみたい、という意識も強い。使うところには使い、抑えるところは抑える。そうしたメリハリのある家計運営によって、将来への安心感と、好きなものや体験を楽しむ豊かさの両方を手に入れたいと考えているのだと思います。令和の新婚カップル・夫婦が目指しているのは、単なる節約志向ではなく、[備えるお金]と[楽しむお金]のバランスを、自分たちらしく設計していくことなのではないでしょうか」(片山さん)。
結婚や挙式、新婚旅行、新居選びなど、結婚にまつわる支出管理は、「何にお金をかけるか、かけないか」を夫婦で話し合い、価値観とお金の擦り合わせをする最初のイベントである。
指輪を選ぶ時間や金額、結婚式場のレベル感や金額、料理内容や招待客など、ひざを突き合わせて、譲れるもの、譲れないものを話し合い、金額にまで落とし込んで内容を検討する過程が、「お互いの価値観や金銭感覚を理解する貴重な時間となった」という声も多いという。結婚後のマネー・ライフ・バランスを設計していく上で、価値観をある程度一致させることは大前提。結婚準備という共同作業はふたりの金銭感覚をすり合わせる絶好のチューニング機会になるようだ。
結婚後の資産運用や家計管理に関しても、冒頭での分析と同様、昭和のように「決まった正解」はない。それぞれの価値観をどんなペースですり合わせていくか、どんな配分で支出や収入を管理するかについても、カップルごとに正解があると言える。
新しいスタートを切った二人に必要なのは、完璧な答えを出すことではなく、納得いくまで話し合える時間なのかもしれない。インフレやマーケット不況など、計算通りにいかない場合でも、二人でその都度価値観をすり合わせて「二人の正解」を導き出すことが、重要だと言えるだろう。
▼回答してくれた方
▼引用マイナビウエディング「結婚・結婚式の実態調査2025【結婚式版】【婚姻版】」
マイナビウエディング「結婚を機とした新生活に関する調査2026年」
※調査結果の詳細は「 マイナビウエディング 調査・データ 」で公開しています
(トウシル編集チーム)

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