日経平均株価の最高値更新の日々が続いています。含み益が増える一方で、「いつ売るべきか」と悩む個人投資家も多いはず。

特に新NISA世代にとって、利益確定のタイミングは難しい問題でしょう。今回は、後悔しないための売り時の考え方についてお話しします。


日経平均史上最高値で「売り時」に悩む個人投資家へ。判断軸はマ...の画像はこちら >>

日経平均、半年ちょっとで30%超のハイペース上昇

 最近の日経平均株価に関しては、「まあよく上がるなあ…」というのが正直な感想でしょうか。ロシアとウクライナの紛争、中東の政情不安に伴う原油・ナフサ不安、円安基調など、あらゆる懸念材料が全てどこ吹く風といった感じで株価が上がり続ける日々です。


 ニュースの解説や識者のコメントも、理由を説明し続けるのが苦しいくらいの株価上昇が続いています。


 これだけ上がり続けると、個人投資家としては「そろそろ利益確定のチャンスかな」と考えたくなります。しかし、悩んでいるうちにさらに株価が上昇するので、売り時を悩み続けることになります。もちろん含み益が増えているわけですから、タイミングを遅らせて困ることはありませんが、「これだけ得た利益をしっかり確保したい」という気持ちも残ります。


 特に新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)をきっかけに投資を始めた世代ほど、「今はどうするべきなのだろうか」と悩んでいるかもしれません。


「売りたいが、売ったあとにもっと上がったらどうしよう」問題

 投資は、売り時が難しいとよくいいますが、「売ったあとに下がった」場合は自分の判断を褒めることができます。


 しかし、「売ったあとにさらに上がった」場合は、利益確定に成功したというプラスと、急いで売らなければもっともうかったかもしれないという後悔がセットになってしまいます。


 まじめに分析すればするほど「これは上がりすぎの相場ではないか」と考えてしまうことはおかしくありません。年初の経済予測のほとんどは、日経平均株価が夏前に6万円を超えるとはしていなかったはずです。


「ここは売り時ではないか」「一度相場を降りておくべきではないか」と判断したくなる気持ちはよく分かります。

いくら長期積立分散投資が大事だといっても、結果マイナスで終わっては仕方ないのも事実だからです。


 今のところ売却判断を見送ってもさらに値上がりしていくので、「長期投資で考えてよかった」と感じられるかもしれませんが、売るべきファクターもあります。


売却の判断は、マーケットではなく「心の内」に理由を聞こう

 買う時はマーケットのことを考えるよりも、長期積立分散投資だと考えて、とにかくスタートすることが大切です。また、掛金額を捻出するための節約のほうに意識を向けたいところです。


 売る時についても、マーケットに判断軸を求めないほうがいいでしょう。そこで判断軸としたいのは「自分自身」です。まずは自分に「今売ったほうがいいと思うか」と問いかけてみてください。


「これだけ上がったら、売った後にさらに上がっても、売ったことを後悔しない」と思えるでしょうか。それなら売っても問題ありません。


「老後のための安定資金としていくらか現金化しておきたい」とか「これだけ上がったのだから、子の受験費用分くらいはもう利益確定しておこう」といった具体的な現金化ニーズがある人は、売ってしまいましょう。その際、全額売りではなく、必要額を意識した部分的利益確定をおすすめします。


「来春の受験費用や入学金分、150万円売ろう」と考えて売ったお金は、結果としてさらに株価が上がってもあまり後悔はしないでしょう。ギリギリまでリスクをとり続けるより適切な判断です。


 あるいは「ここまで上がるのはうれしいが、投資は怖すぎる…」という人も、投資資金の一部を売って、相場から降りてもいいでしょう。


 全財産に占める投資ウエートが高すぎることを回避するのは、個人としてあっていい判断です。本来の運用割合に戻すイメージで部分的な売却をすることは、運用全体のリスク取り過ぎ状態を解消することになります。この場合、全額売りにしないことがポイントです。


自分の中に売る理由があれば後悔は少ない

 株価というのはある程度の合理性と、ある程度の非合理性の下に価格形成が行われています。それは現在の公開情報と未来の予想を踏まえて、投資家心理が常に揺れ動いているからです。


 こうした分析に素人が関わっても、プロに勝てることはありません。インデックス投資を「誰でも確実に低コストで平均点を取る方法」として選ばれるのは、それが一般個人の投資方法として後悔が少ない選択肢となるからです。


 同様に、売りタイミングもマーケット分析をするよりは「誰でも後悔が少なくてよい方法」を選ぶべきです。こちらも「自分が後悔しないか」を考えてみることをオススメします。


 自分なりの売りどころ、それぞれ考えてみてください。


(山崎 俊輔)

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