日経平均は高値圏で波乱の様相です。日本株を買いにくい環境です。
不動産ブームで業績好調なJ-REIT、金利上昇を嫌気して下落
国内の不動産投資信託(J-REIT)とは、東京証券取引所(東証)に上場している不動産投資信託のことです。証券コードがついていて、普通の国内株式と同じように、東証で売買できます。オフィスビル、マンション、物流施設、商業施設・ホテルなどに投資していて、そこから得られる賃料などを投資家に分配しています。
近年、不動産市況が好調です。三大都市圏(東京、大阪、名古屋)は、賃料も価格も上昇が続き、不動産ブームの様相を呈しています。J-REITは、その恩恵を受けます。
三大都市圏では、以下の通り、公示地価が大きく上昇しています。
<公示地価:地価変動率(全用途平均):2014年1月1日~2026年1月1日>
同時に日本では長期金利の上昇に弾みがついています。長期金利の上昇はJ-REITにとって、以下二つの点でマイナスです。
【1】J-REITの投資法人の調達金利が上昇する
不動産投資信託(REIT)の投資法人は、自己資本と借入金を使って、不動産に投資しています。借入金利の上昇はマイナスです。
【2】長期金利が上昇すると、J-REITの分配金利回りの魅力が相対的に低下する
長期金利が上昇すると、REITの利回りの魅力が相対的に低下します。
<日本の長期金利(10年新発国債利回り)と、J-REIT平均分配金利回りの推移:2010年1月~2026年6月(29日)>
J-REITは2021年以降、不動産ブームの追い風を受けながら、金利上昇の逆風にもさらされているわけです。
2025年は、配当込みREIT指数は、27.9%も上昇しました。不動産ブームの恩恵を受け、金利上昇の逆風をはねのけて上昇した年でした。ところが、同指数は、2026年に入ってからは、7.6%下落しています。金利が一段と上昇したことが嫌気されています。
<東証REIT指数と配当込みREIT指数推移:2010年1月末=100、2026年6月29日まで>
2010年1月以降、配当込み東証REIT指数は、約4倍に上昇しています。J-REITが長期投資の対象として魅力的なことが分かると思います。
ただし、毎年安定的に上昇してきたわけではありません。山あり谷ありで、投資タイミングが悪いと、マイナスリターンになる年もあります。2013年以降の流れを簡単に振り返ります。
【1】2013~2019年
不動産市況の上昇と、金利低下と、二つの追い風を受けて、J-REITは大きく値上がりしました。
【2】2020年
コロナショックが起こり、一時急落しました。ところが、オフィスREITや住宅REITのダメージはさほど大きくなく、物流REITの好調が続いたことを受けて、REIT指数は急反発しました。
ダメージが大きかったのはホテルREITと、商業REITでした。ただし、ホテルも商業施設も2021年以降に順調に回復していきました。
【3】2021~2024年
不動産ブームの追い風を受けていたものの、急ピッチの金利上昇が嫌気され、J-REITの低迷が続きました。
【4】2025年
不動産ブームの恩恵を受け、金利上昇をものともせず、J-REITは大きく上昇しました。
【5】2026年1~6月
金利上昇を嫌気して下落しました。
分配金利回りが5%まで上昇、良い買い場と判断
J-REITが一番大きく上昇するのは、不動産市況が上昇する中で、長期金利が低下する時です。2013~2019年がそうでした。
ただし、今後、そういう環境が復活するとは思えません。当面、不動産ブームが続く中で、金利上昇が続くと想定されます。
それでは、どういうタイミングで投資したらよいでしょうか? 私は、J-REITの平均分配金利回りが高くなった時が良いと思っています。私は、利回り4~4.5%が妥当水準と考えていますので、それより高くなった時は、J-REITにとって良い買い場と判断します。
今年に入ってから、東証REIT指数は、日経平均株価が上昇する中で、逆行安となってきましたが、利回りが5%まで上昇したので、今が良い買い場と思います。
<J-REITの平均分配金利回り、30年・10年国債利回り、東証プライムの平均配当金利回りの推移:2022年3月末~2026年6月29日>
投資の参考銘柄
J-REITには、さまざまな種類があります。もともとは、オフィスビルや住宅・マンションに投資するファンドがほとんどでしたが、近年は、Eコマースの拡大により、物流施設に投資するファンドが拡大しています。その他、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。純粋な不動産投資と言えないものも増えています。代表的な銘柄は、以下です。
<J-REIT、投資の参考銘柄:2026年6月29日時点>
J-REITに投資したいと思うものの、どの銘柄を選んだらよいか分からない方は、最初は、投資信託で「東証REIT指数インデックスファンド」に投資したらよいと思います。小口資金で、さまざまなREITに分散投資できます。東証REIT市場全体の平均値に投資する効果があります。
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(窪田 真之)

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