「今からNISAを始めても遅くない?」そう聞かれたら、あなたならどう答えますか? 株価のタイミングを計って足踏みしているうちは、投資デビューできません。大切なのは、相場を気にせず「少額からすぐに始める経験」です。

今回は、投資未経験者に知っておいてほしい「タイミング」と「投資額」についてお話しします。


NISAデビュー「株価が下がったら」は一生始められない。投資...の画像はこちら >>

NISA未開設の人から「今からでもやるべき?」と聞かれたら?

 私はときどきこんな話を聞かれます。


――同僚や友人から「まだNISAやってないの? やったほうがいいよ」と言われた
――テレビやネットのニュースを読んで「やっぱりNISAを始めたほうがいいのかな?」と思ったけど、どうすべきか分からない


 こういった人は、どうすればいいでしょうか。


 NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)がどんなに普及しているといっても、口座未開設の方が多数派なわけですし、どんなに投資信託の市場規模は拡大したといっても、投資未経験者のほうがまだ多数派です。


 すでにNISAを通じて投資経験を積んでいる人からすれば「なんで、まだやってないの?」というのが本音でしょうが、未経験者にとって投資デビューは高いハードルなのです。


 さて、こうした質問にあなたはどう答えますか?


「少し下がったら始めます」という人は、おそらく一生始めない

 私は質問を受けたとき、二つの話をします。まずは「投資を始めるタイミング」の話です。


 まだ投資を始めていない人の話を聞くとほとんどが「株価が下がったいいタイミングで始めたい」と言います。今のような株価上昇を見ていると、怖くて始められませんよ、というわけです。


 しかし、投資のタイミングを見極めるのはおそらく無理です。そもそも「いくら下がれば良いタイミングなのか」、投資未経験者が分かるはずがありません。


 また、こういう人はどんなに株価が下がろうとも、逆にまた株価が上昇しようとも、結局は口座開設しないことがしばしばです。


「タイミングをみてから」という理屈については、それは「気にしない方がいい」と伝えたほうがいいでしょう。


投資未経験者にとって理想的なのは「最初に値上がりした経験を得ること」

 そうはいうものの、未経験者が株価の下がったタイミングで投資デビューするのは悪い話ではありません。というのは、投資未経験者のデビューにおいて理想的なのは「緩やかに値上がりする成功体験」で、「スタート直後に急落」が一番しんどいシチュエーションだからです。


 もちろん、値下がり時に持ち続けて、回復を待つ経験も得たいところですが、含み損を抱えて時間を過ごすのは初心者にとってストレスです。かといって、売ってしまえば損失が確定し、これまた投資に対する悪印象となってしまいます。


 Z世代が投資に対してポジティブだというのは、アベノミクス以降の上昇相場しか知らず、投資をスタートしていれば基本的に増やせているからでもあります。


 ここまで急騰した相場が、日経平均株価でさらに1万円駆け上がるのはイメージしにくく、初心者が今から投資デビューをするならちょっと工夫が必要です。


「下げた率」ではなく「下げた額」で耐えられる投資金額でデビューを

 さて、アドバイスの二つ目の話がまだでした。二つ目は「投資金額を控えめにデビューする」ということです。


 投資デビューのタイミングを悩んでいると、いつまでたっても投資を始めることができません。とはいえ、いきなり急落に直面するのは避けたいところです。


 急落したとき、投資初心者が意識するのは「下げた率」ではなく「下げた額」です。これは初心者ほどそうで、「まだまだ10%の下落」と考えるより「50万円が5万円もマイナスになっている!」と考えてしまうわけです。


 値上がり時は「率」と「額」とどちらを見ても喜ぶだけなので、あまり問題がありません。だとすると、マイナスになったときの精神的ダメージを抑えるには、投資デビューの金額を控えめにするのがいいでしょう。


「なんか株価も上がっているし、虎の子の100万円で勝負!」や「毎月10万円積み立てするのがいいとネットで書かれているので自分も!」とする必要はまったくありません。


  • NISA口座はすぐつくる
  • 高額入金はせず、毎月1万円程度の積立投資を設定する(商品はお好みで。ただし手数料は低めでチョイス)
  • とりあえず半年は手を付けず投資を続ける

 これが、マーケットを気にせず初心者が投資デビューするいい方法ではないでしょうか。


 初心者にとって重要なことは「投資経験」です。投資経験は金額によらず手に入ります。言い換えれば、実際のお金が投資に向かわなければ経験値は一切入りません。


 そして投資経験を積んだ個人と「投資未経験者」には大きな差が生まれ、経験者はちょっとした下落にも耐えられるようになっていきます。


 まずは投資を始めることが大切です。もし「今からNISAを始めても遅くない?」と聞かれたら、自分の武勇伝や相場観ではなく「小さく、でもすぐに始めること」をアドバイスしてあげてください。


(山崎 俊輔)

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