深海というと変な形の小魚がいっぱいいるようなイメージがありますが、中には威厳すら感じるような巨大な魚も棲息しています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
韓国で「伝説の深海魚」が釣り上げられる
先日、韓国の釣り人がとある巨魚を釣ったというニュースが、我が国のネットにも流れてきました。その魚はとても大きく、韓国ではなんと「伝説の深海魚」と呼ばれているといいます。
その魚とはオオクチイシナギ。韓国では南岸の沖合で稀に釣れてくる魚で、年間に30尾程度しか水揚げがないそうです。
今回釣れたイシナギはなんと全長164cm、重さはなんと77kgに至り、まさに伝説の名にふさわしい大きさ。大人三人がかりでなんとか釣り上げたのだそうです。
「石投」ってどんな魚?
オオクチイシナギはイシナギ科に属する大型魚で、水深600m程度までのところに生息する深海魚です。日本の沖合にも生息しており、しばしば巨大なものが水揚げされます。
この魚の特徴はその重量にあり、ずんぐりむっくりの体型のおかげで他種の同じ長さの魚と比べても重くなります。針にかかるとまるで巨大な石に糸を結んで遠くに投げられたかのような強烈な引きを見せることが「石投」の名の由来と言われています。
韓国では幻の魚とされていますが、我が国では特に小型のものはしばしば水揚げがあり、深海魚漁が行われている地域ではスーパーにも並びます。東北太平洋沿岸では小型のものを「スネヤ」と呼びますが、由来はよくわかりません。
味は意外にも…
このオオクチイシナギ、食用魚としての知名度は高くありませんが、大きくなることもあり、価格はそれほど安くはありません。大型の個体は一尾で10万円を超えることもあり、切り身で買うのが一般的です。
この魚の面白いところは、加熱すると何故か鶏肉のような味わいになる点です。
この魚を食べる上で、一つだけ気をつけないといけないことがあります。この魚は肝臓にビタミンAを大量に含有しており、不用意に食べると「ビタミンA過剰症」になってしまうことがあるのです。特に大型個体の肝臓については、厚生労働省も「食べないように!」と強く警告しています。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>
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