出張訪問買い取りなどの「BuySell」M&A収益力を可視化、次の買収に備え

着物やブランド品の出張訪問買い取りなどを手がけるBuySell Technologies<7685>は、M&Aに伴う収益力の実態を可視化する体制の構築に乗り出した。

2026年12月期第1四半期から報告セグメントを変更し、従来の単一セグメントから「出張訪問買取」をはじめとする3区分に移行した。

買収に伴うのれんや顧客関連資産(顧客基盤、顧客リストなど)の償却費を該当するセグメントに計上し、M&Aで取得した事業の収益性を把握しやすくする。

同社は過去のM&Aで事業規模を拡大しており、今後の買収に向けて投資判断の精度を高める。

事業別に収益力を開示

BuySellは2026年12月期第1四半期から、報告セグメントを「着物・ブランド品等リユース事業」の単一セグメントから、「出張訪問買取」事業と、フランチャイズ事業を含めた「店舗買取」事業、法人買取事業、オークション事業、宅配買取事業、アライアンスなどを含めた「その他」事業の3区分に変更した。

2026年1月に、フォーナイン、日創、むすびなど一部子会社を吸収合併し、グループ再編を実施したことを契機に、事業実態をより正確に反映する開示単位に見直した。

売上高は原則として、買い取りチャネル別の在庫販売データに基づいて各セグメントに配分し、のれんや顧客関連資産の償却費は、買収対象事業のセグメントに計上する。

これにより、M&Aで取得した事業を含め、事業別の収益力を可視化する。

出張訪問買い取りなどの「BuySell」M&A収益力を可視化、次の買収に備え
BuySell Technologiesの売上高構成比

業績予想を上方修正

同社は2020年に、古物オークション「TIMELESS AUCTION」などを運営するダイヤコーポレーション(現タイムレス)を、2022年にはブランドバッグや時計、ジュエリー・貴金属などのリユース品の買い取り・販売を手がけるフォーナインを、2023年には高級ブランド・貴金属リサイクルショップ「ブランドピース」を展開する日創をそれぞれ子会社化した。

さらに2024年にはブランド品や貴金属類の買い取りを手がけるむすびと、「買取 福ちゃん(FUKU CHAN)」を展開するREGATE(大阪市)と骨董・古美術買い取りの日晃堂(横浜市)を傘下に持つレクストホールディングスを子会社化した。

その後2026年3月に店舗買い取りによるリユース事業を手がけるDelightZを子会社化し、2020年以降に子会社化した企業は6社となった。

これらの買収先との連携は、業績拡大に寄与している。

同社は2026年5月に公表した2026年12月期第1四半期決算にあわせて、2026年12月期の業績予想を上方修正した。

売上高は従来予想から100億円多い1400億円(前年度比39.1%増)に、営業利益は31億円多い156億円(同72.5%増)にそれぞれ引き上げた。

2027年12月期についても、2026年3月に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」で売上高を1400億円から1650億円に、営業利益を110億円から170億円に引き上げている。

修正後の目標は、新規のM&Aが発生しない前提としており、2026年3月に子会社化したDelightZの業績は反映していない。

今後のM&AやDelightZの業績寄与は、追加的な上積み要因となり得る。

仕入れ網拡大が成長余地に

BuySellは、出張訪問買取と店舗買取の両方で仕入れ網を広げており、粗利率の高い一般顧客からの買い取りを増やしていることが、同社の競争力の源泉となっていると分析する。

買い取り対象とする国内商材の総額を4兆4000億円とみており、このうち、年齢層や保有期間、売却意向を考慮し、実際に買い取りにつながる可能性がある市場を1兆3000億円と見込む。

買い取り対象市場にはなお開拓余地があり、今後のM&Aでは、取得した事業をどの程度収益成長につなげられるかがポイントとなる。

出張訪問買い取りなどの「BuySell」M&A収益力を可視化、次の買収に備え
BuySell Technologiesの業績推移

文:M&A Online記者 松本亮一

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