Text:高橋美穂
『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2026』の2日目も、1日目に続き薄曇りの涼しい一日となった。ラインナップには、アイドル、バンド、シンガーソングライターなどバラエティーに富みながら、ライブで本領発揮してきたアーティストが名を連ねており、日が暮れるまで熱狂は続いた。
10:30 いぎなり東北産
トップバッターは、東北出身メンバー9人組のアイドルグループ・いぎなり東北産。リハーサルから深くお辞儀する礼儀正しさが光る。そして、まだメンバーがステージに登場していない「東北産出囃子」から大盛り上がり。会場が温まったところで、うちわを手に、名前が金色で大きく刺繍されたメンバーカラーの衣装のメンバーが登場。これなら初見の人にも、遠くから観ている人にも、一人ひとりの名前とキャラクターが伝わる。「ワンダフル東北」では「ジャンプ!」の呼びかけに合わせて、会場にジャンプが広がっていく。
11:25 日食なつこ
続いては、岩手・花巻市出身のピアノ弾き語りソロアーティスト、日食なつこ。サポートメンバーのギター、ベース、ドラムと横並びでセッティングしたキーボードに向かい合い「あなたたちに朗報です。ここから35分間、撮影OKです」と報告するところからライブをスタート。さらに「動画を推奨します。なぜなら音楽で生きているから」と誇り高く言い切り、軽やかに「水流のロック」を奏でだす。
12:20 きゃりーぱみゅぱみゅ
まず4人のダンサーが登場すると、ピンクの王冠とふわふわの衣装のきゃりーぱみゅぱみゅが現れ、「インベーダーインベーダー」へ。きゃりーが両手を大きく振ると、オーディエンスも続く。あっという間に誰もがきゃりーワールドの住人だ。ダンサーがいったん捌けると、「ちょっと私、衣装浮きすぎてない? 岩手の人びっくりしない? 私みたいな人種初めて見るよね。
13:15 wacci
どうやらリハーサルで機材トラブルが起こったらしく、因幡始(key)の周りにスタッフが集合している。すると橋口洋平(vo/g)がアコギを弾きながら「がんばれ~マック~」「パソコン相手に10人~!ライ~ブだな~」と即興ソングを披露。すると村中慧慈(g)や小野裕基(b)も加わりセッションのような状態に。結果「パソコンなしでライブをやります。
14:10 Little Glee Monster
Little Glee Monsterはドラム・キーボード・ベース・ギターのバンドを従えて登場。6人が金色や緑色の華やかな衣装でオンステージし、タイトル通りに一体感を生み出す「Join Us!」を歌い出す。様々なジャンルのフェスを経験している彼女たちらしく、さっそくナチュラルに手をあげたりハンドクラップへと誘う。
15:05 yama
リハーサルを終えて待機していたドラム・ベース・ギター・キーボードの横並びのバックバンドが、マスク姿&黒衣装でジャジーなグルーヴを奏でだす。そこにお馴染みの青髪&白衣装にマスク姿でyamaが登場し、「憧れのままに」がスタート。
16:00 Penthouse
リハーサルで大島真帆(vo)に「凱旋公演だね」と言われていたが、浪岡真太郎(vo/g)は岩手出身。そのおかげか、しょっぱなからアットホームな雰囲気が漂う。挨拶代わりの「Welcome to the Penthouse」を披露すると、そのまま「...恋に落ちたら」へ。サポートメンバーも含めて8人の大所帯なスタイルで、ゴージャスな演奏を披露していく。特に浪岡と大島の男女ボーカルのハーモニーは大迫力のひと言。大島の「みんなで歌いたいと思います!」という先導から、手を振りながら♪ナナナナナナナナ~のシンガロングも楽しい。MCで浪岡が「なんといっても僕は岩手県の出身で。Penthouseは初岩手県、帰ってこれました」と言うと大歓声。すると大島が「一高のタオル持ってる人いたよ」と、浪岡の出身高校(盛岡第一高校)のタオルを持っている人が見えたことを明かす。地元、強い!「Penthouseのライブは自由」と浪岡は言っていたが、続く「Taxi to the Moon」も、思わず踊りたくなるグルーヴ感。かと思ったら「青く在れ」は真っ直ぐなロックチューンで、バンドの自由度の高さも伝わってくる。「我爱你」は手を振りながら♪ラララと歌う練習をしてからスタート。その成果が表れて本番もバッチリ決まっていた。最後は艶やかにアッパーにブチ上げた最新曲「一二三」。多角的に輝くバンドであることが伝わってきたステージ。今回は角野隼斗(pf)と平井辰典(ds)は欠席だったが、全員が参加した演奏も観てみたい。
16:55 松下洸平
俳優としても活躍している松下洸平が、ホーンも含む6人編成のバックバンドと共に登場(ちなみにギタリストはwacciのメンバー、村中慧慈)。眩しい黄色いシャツをまとって松下がステージに現れると、そのオーラに、会場には「キャー!」という歓声が。1曲目はスウィートでソウルフルな「This is my love」。滑らかなハイトーンボーカルと、夕刻の心地よさがマッチしてとろけそう。「All Day Long」では、松下はジャンプしながら歌い、オーディエンスに「シンギン!」とマイクを向ける。まるで水を得た魚のようだ。「FLY&FLOW」では、ステージを上手下手に軽やかに動き、身を乗り出すようにして歌うシーンも。松下の動きにあわせて演奏がビシッと決まる瞬間もあって、まるでコンダクターのように見えた。「岩手でライブさせていただくのは初めてです。うれしいです」と喜びを弾けさせつつ、「いつか必ず岩手で大きなライブをやりたいと思っています」と宣言すると、温かい拍手が起きる。さらに、「今年の夏からバチバチに音楽活動をやっていく」という報告も。最後は「一緒に踊りませんか?」と誘い「ノンフィクション」。自ら大きく手を振ってオーディエンスを引っ張っていき、歌い終えると生声で「ありがとうございました」と感謝。“繊細さに貫かれた頑なな芯”という、松下洸平だけのグルーヴが感じられたステージだった。
17:50 Kroi
いよいよ3年連続で出演しているKroiの出番だ。スモークのなかステージに現れ、内田怜央(vo)が「今年もKroiちゃんやってまいりましたチャグチャグ。帰ってまいりましたよ」と挨拶。楽器の音を重ね合わせていき、内田が「エービバディー!」と歌いあげて、「Juden」へ。ボンゴを叩きながら歌う内田や、ギターヒーロー然とした長谷部に見とれていると、益田英知(ds)も千葉大樹(key)も関将典(b)もソロを披露し、楽曲が生き物のように変化していく。ファンキーな「Balmy Life」では、オーディエンスも心地よさそうに身体を揺らす。それぞれが自由に見えてキメはバチッと合うところも、息をのむほどかっこいい。内田は「まだ終わってないですけど、また(チャグチャグに)来ますからね、勝手にね」と宣言。そして「千葉さんが岩手出身なんですよ」と、Kroiと岩手の縁を明かす。ラストはイントロから燃え盛る「Fire Brain」。長谷部はロングヘアを振り乱しながらギターを弾きまくり、内田はサビを絶唱。すると一旦演奏を止め、「今年も自分たちのやりたいことはなんだろう、まだ届いていないものはなんだろうと探しながら活動している。新しい曲を作って、またチャグチャグに戻ってこれたら」と内田が決意を語り、再び爆音を轟かせてパフォーマンスを終えた。最後までどう振り切れるかわからないスリリングさがありながら、どう振り切れても絶対にかっこいい信頼感がある。そんな圧巻のライブバンドの姿勢を見せてもらった。
18:45 .ENDRECHERI.
2日間のフィナーレを飾るのは堂本剛のソロプロジェクト.ENDRECHERI.。リハーサルでは紫×金のギラギラ衣装でド派手なインパクトのホーン隊&コーラス隊を含む大所帯バンドが、♪わんこ~わんこそばわんこ~と演奏。こんなにかっこいい“わんこそば”聴いたことない!としょっぱなから衝撃。 少し雨も降ってきたなかで出演時間を迎え、再びバンドが登場し、堂本が二の腕をチラリと見せる赤トップス×金色パンツでセンターに立つ。ギターを抱えながら歌い出したのは「Machi....」。エモーショナルな歌に聴き惚れるオーディエンス。堂本が奏でる渋みたっぷりのギターにも魅了される。そしてファンク魂が大輪の花を咲かせる「Super funk market」へ。オーディエンスもハンドクラップで参加し、ますます演奏はゴージャスに進化。堂本はまるで身体そのものがビートのようにリズミカルにラップし、「後ろもカモン!」と世界観に引き込む。「胸の奥のハートの自分と向き合って、優しく抱きしめてあげて」というポエティックなメッセージ、「もっとビートにのって!」「今は今しかないぞ!」「人生は一度!」という鼓舞など、曲間の言葉ひとつとっても、彼自身が全力で“今、ここ”と対峙していることが伝わる。もちろん、歌声も演奏も“生そのもの”のようにグルーヴィだ《That’s Me》というキャッチーなワードが印象的な「雑味」で、雨や暗さや寒さを吹き飛ばすファンクネスは最高潮に。ギターを手にした堂本が「みなさんの大切な人、大切な思い出を思い浮かべながら聴いてください」と奏ではじめたのは「Heart of Rainbow」。手の波を広げる会場に、優しいメロディが染み渡る。情感たっぷりのギターが余韻を残す感動的なエンディングとなった。「バンドメンバーに拍手を!」と称えて送り出すと「最近(のライブで)雨が降ることはなかったんですけど」と苦笑い。そこから自身がエンタテインメントに向き合う真摯な姿勢を明かし「ギラギラのパンツ穿いてた人が、こういうことを言っていたなって思い出して」と照れ隠しのように付け足して、最後は「雨、このあと強くなるから気を付けて帰ってね」と優しく呼びかけた。彼の音楽愛や人柄がまるごと感じられる、ハートウォーミングなライブだった。
<イベント概要>
『CHAGU CHAGU ROCK FESTIVAL 2026』
6月7日(日)ツガワ未来館アピオ 岩手産業文化センター 野外特設会場(岩手県滝沢市)
【いぎなり東北産 / Setlist】
01.東北産出囃子
02.ワンダフル東北
03.いただきランチャー
04.うぢらとおめだづ
05.この夏のヒロWin!
06.わざとあざとエキスパート
07.あーぐれす
08.BUBBLE POPPIN
09.天下一品~みちのく革命~
【日食なつこ / Setlist】
01.水流のロック
02.風、花、ノイズ、街
03.致死量の自由
04.音楽のすゝめ
05.0821_a
06.LAO
07.ログマロープ
【きゃりーぱみゅぱみゅ / Setlist】
01.DE .B A .Y A .SHI.2025
02.インベーダーインベーダー
03.つけまつける
04.にんじゃりばんばん
05.みんなのうた
06.現実逃避
07.キミに100パーセント
08.原宿いやほい(Extended Intro Ver)
【wacci / Setlist】
01.恋だろ
02.別の人の彼女になったよ
03.どんな小さな
04.最上級
05.人生最終日の僕よ
【Little Glee Monster / Setlist】
01.Join Us!
02.一輪
03.Pages
04.For Decades
05.Summer Days
06.SAY!!!
07.世界はあなたに笑いかけている
【yama / Setlist】
01.憧れのままに
02.TWILIGHT
03.UPSIDE DOWN
04.偽顔
05.Remember
06.マスカレイド
07.春を告げる
08.飛ぼうよ
【Penthouse / Setlist】
01.Welcome to the Penthouse
02. ...恋に落ちたら
03.一難
04.Minute by Minute
05.Taxi to the Moon
06.青く在れ
07.我愛你
08.一二三
【松下洸平 / Setlist】
01.This is my love
02.All Day Long
03.MUSIC WONDER
04.FLY&FLOW
05.FLYFLY
06.エンドレス
07.ノンフィクション
【Kroi / Setlist】
01.Juden
02.Balmy Life
03.Kinetic
04.HORN
05.Method
06.Fire Brain
【.ENDRECHERI. / Setlist】
01.Machi....
02.Super funk market
03.MYND
04.勃
05.雑味
06.LOVE VS.LOVE
07.my design
08.Thinking time
09.Heart of Rainbow
公式サイト
https://www.tvi.jp/chagurock/

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