〈「夏休みだけ茶髪」はもう古い?〉令和の中高生100人に聞いてわかった“髪のおしゃれ”の変化「髪色より艶」「カットに1万円以上」
〈「夏休みだけ茶髪」はもう古い?〉令和の中高生100人に聞いてわかった“髪のおしゃれ”の変化「髪色より艶」「カットに1万円以上」

夏休みに髪を明るく染め、新学期を前に黒く戻す――。平成では、そんな中高生も珍しくなかった。

では、令和はどうなのか。多くの学校が新学期を迎えた9月1日、都内で話を聞くと、夏休みに髪を染めたという学生はほとんど見当たらなかった。代わりに聞こえてきたのは「髪色より艶」「顔まわりのカットにこだわる」といった声だった。

1回のカットとトリートメントで「1万円以上」

新学期を迎えた9月1日、原宿や新宿、郊外の主要駅で中高生に話を聞いた。100人に声をかけ、夏休みに髪を染めたという学生を探したが、該当する人はほとんどいなかった。

高校2年生のA子さんも、これまで一度も髪を染めたことがないという。

涙袋メイクに束感まつげ、髪にはヘアアクセサリー、スクールバッグにはマスコット。流行のおしゃれを楽しんでいるが、髪について大事なのは「色」ではないという。

「髪の色よりも“艶”を大事にしています。お風呂上がりにつけるヘアオイルや、出かける前に使うスプレーは、気になったものはすぐに買ってしまいます。

黒髪でツヤツヤのロングヘアのワンホン(網紅、中国のインフルエンサー)を見て、『きれいに伸ばしたい』と思ったのがきっかけです。縮毛矯正には興味がありますが、今まで髪をきれいにしてきたので、やるなら信頼できる美容院を探して、できるだけダメージを抑えてやりたいです」(A子さん)

高校3年生のB子さんは過去に髪を染めたことがあるが、今はカラーをしていない。その代わりにこだわっているのが、「顔まわりのカット」だ。

「小顔に見える髪型や、髪を結んだ時に前髪の形がきれいに見えるカットを得意にしている美容院に通っています。髪を染めるわけではありませんが、1回のカットとトリートメントで1万円以上はします。でも4~5か月に一度しか通わないので、定期的に髪を染めるよりは安いのかなって思っています」(B子さん)

夏休みに髪を染める中高生は「ごくわずか」

中高生の「夏休みカラー」は、美容院でも少なくなっているようだ。

原宿や渋谷など、都内でハイトーンカラー(ブリーチなどで明るく染めた髪色)に特化した美容院に問い合わせると、長期休暇に限ってカラーをする中高生の利用は「ごくわずか」だという。

また、中高生向けに「夏休み限定カラー」と「新学期前の髪色戻し」を1万1000円のセットメニューとして用意した都内の美容院では、今夏の利用はわずか1件だった。

「中高生から『夏休みに染めたい』という声は聞きますが、部活をやっていると休み中も学校に行くので、結局できないみたいです。うちに来る中高生も、ほとんどがカットかトリートメントだけで、カラーをする子はかなり少ないです」(美容院オーナー)

もちろん、中には髪を染めている中高生もいる。ただ、「夏休みだけ染めて、新学期に黒く戻す」とは限らないようだ。

高校1年生のC子さんが髪を茶色く染めたのは、中学を卒業したあとの春休みだった。高校には現在の髪色のまま入学し、先生には「地毛」と説明しているという。

「入学したときからこの色なので、先生には『地毛です』って言っています。新学期に先生2人から『ちょっと明るくない?』と指摘されましたが、『最初からこの色です』って言ったら大丈夫でした。

一度、ブルーブラックという色にして髪を暗くしたんですけど、不自然なくらい暗くなってしまって、自分では気に入らなかったんです。

校則では髪を染めるのは禁止されていますが、違反してもペナルティがあるわけではなく、口頭で注意されるくらいです」(C子さん)

「自然に垢抜けて見えるスタイルを求めるお客さんは多いですね」

高校3年生のD子さんが通う学校では、少し事情が違う。普段のヘアカラーは禁止されているが、文化祭や体育祭に限って認められるという。

「うちの学校は普段は髪を染めたらダメなんですけど、文化祭や体育祭のときだけは染めても大丈夫なので、一時的に髪を明るくする子もいます。行事が終わると暗くしなきゃいけないんですけど、黒染めは使わず、暗い茶色やグレーっぽい色にする子がほとんどです。

今年の夏休みはバイト代で3万円ほどかけてブリーチをしましたが、新学期前にはまた美容院で暗めの色にしました。お金はかかりますが、ムラなく染まるし、また髪を明るくしたくなったときのことも考えて、美容院で染めるようにしています」(D子さん)

美容院で求められるスタイルにも変化がある。

渋谷のサロンに勤務する美容師歴10年の30代女性は、ここ数年、客からのオーダーが変わってきたと感じている。

「少し前までは、ハイトーンカラー希望のお客さんを担当することが多く、カラー技術の高さが集客につながっていました。でも、ここ数年は、髪に段差をつけて動きを出す『レイヤーカット』が人気で、カラーも赤みを抑えた透明感のある色のオーダーが一気に増えました。

ナチュラルに見えるスタイルほど、実は細かい技術が必要なんです。顔まわりのカットや髪の質感など、派手に変えるのとは違う部分にこだわるので、施術によってはそれなりにお金もかかります。それでも、自然に垢抜けて見えるスタイルを求めるお客さんは多いですね」(渋谷区の美容師)

夏休みに髪を染め、新学期になったら黒く戻す。

今回の取材では、そんな中高生は少数だった。

髪色よりも艶や顔まわりのカットにこだわる子がいる一方、染める場合も「夏休みだけ」とは限らない。中高生の髪のおしゃれも、少しずつ変わっているようだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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