芸能界では現在もさまざまなゴタゴタ・騒動が起こっています。しかし長い芸能界の歴史を見ても、もっとも泥沼化し、そしてもっともくだらなかった騒動といえば、1999年に起きた「ミッチー・サッチー騒動」ではないでしょうか。
この一件はようするに、60歳を過ぎの浅香光代と野村沙知代による喧嘩です。しかし2人以外にも様々な芸能人が騒動に参加し、泥沼化したのです。

【発端はミッチーのラジオでの発言】


騒動の発端は1999年3月31日、浅香がレギュラー出演していたラジオでした。そこで野村に対して「引っ叩いてやりたい」「挨拶もろくにできない。笑わせるんじゃないってんだよ」などと批判しました。
その背景には、2人が共演していた舞台で生じた確執がありました。浅香側は野村が舞台の練習をさぼっていたことに不満を持ち、一方の野村は「横柄だ」と浅香のことを思っていたそう。


【野村沙知代への大バッシングへ】


このラジオでの発言以来、週刊誌やワイドショーがこぞってこの騒動を取り上げます。どのメディアも野村への批判の論調が強く、これに乗じる形で多くの有名人も野村に非難の声を上げます。
その一例を紹介すると、十勝花子やデヴィ夫人、美川憲一、美輪明宏など。野村に整形代を踏み倒されたなどと経営者が週刊誌に出てきて暴露したこともありました。

しかし、騒動の張本人である野村はまったく動じませんでした。「私のために地球は回ってる」などと強気発言をしたり、自身を批判する芸能人への口撃で講演会は大人気。テレビ番組でマナーの必要さを説いたり、人生相談をする面の厚さも見せていました。

このような野村の態度もあり、当時の嫌われ方は尋常ではありませんでした。当時
でもこの時のサッチーの嫌われぶりは凄まじく、「おしゃれカンケイ」に番組出演した際には、スポンサーが降りるという事態も起きたほどです。

【逮捕による幕切れ】


ここまでの有名人による暴露はあくまで噂レベルのものも多かったが、野村にある疑惑が生まれます。
選挙に出馬した際に、虚偽の経歴(コロンビア大学卒業)で選挙活動を行ったというもの。これを目につけた浅香が野村を公職選挙法違反で告発しまが、結局は不起訴に終わります。

しかし2001年12月、野村は脱税容疑で逮捕されます。これによって、浅香が勝利ということで一応は決着がつきました。

ちなみにこの逮捕後、浅香は会見を開き「正義は勝つ」とコメンしました。

【本当に野村沙知代は悪人か】


ここまで見ていくと、野村がかなりの極悪人に思えますが、これが事実かどうかはよく考える必要がありそうです。
そもそも野村への批判の始まりは浅香との舞台でのいざこざ。にもかかわらず、浅香が選挙時の疑惑につけこみ、あそこまで躍起になって野村を告訴する必要はあったのでしょうか? また現在では、特に十勝花子など売名のため、騒動に絡んできた人も多かったという見方もされています。

テレビやネット問わず、叩いている人・叩かれている人が常時現れる今だからこそ、メディアリテラシーを考える上でこの騒動はよい教材になりそうですね。