少し前のことになりますが、矢口真里出演のカップヌードルのテレビコマーシャルが、放送自粛となったのは記憶に新しいところでしょう。
CMにおける矢口の役柄は、危機管理についての講義を執り行う大学の准教授。
熱弁を振るう彼女のあとに、ビートたけしが「バカになれ!」的なメッセージを投げかける一連の映像が「不倫を推奨している」と非難されて、あえなくお蔵入りとなったのです。

バラエティに引っ張りだこだった矢口真里


もはや語り草となった「不倫現場に旦那鉢合わせ騒動」から早3年。未だついて回るネガティブなイメージから、今回のCMのようなイロモノ的、ネタ的扱いをされる彼女ですが、何も昔からこんなキャラだったわけではありません。

矢口といえば、モーニング娘。時代から、しゃべれて仕切れるアイドルとして有名でした。それは、弱冠18歳にして『オールナイトニッポン』の史上最年少パーソナリティーに抜擢されたことからも明らか。アナウンサーや放送作家をアシスタントとして置かずに、一人で2時間の生放送を回して見せたトークスキルは圧巻の一言。

その傑出した実力が認められ、2003年にはフジテレビのコントバラエティ『笑う犬の太陽』、翌2004年には、劇団ひとりとコンビを組んだ情報エンターテイメント番組『やぐちひとり』にも起用され、まさに順風満帆なキャリアを送っていた矢口。そんなときに交際を開始したのが、小栗旬でした。

矢口真里と小栗旬を引き合わせたのは中澤裕子


2人の出会いを取り持ったのは、ドラマ『ごくせん』で小栗と共演経験のある中澤裕子。どちらのリクエストか定かではありませんが、いずれにしても、このモー娘。初代リーダーがキューピットとなったのは事実なようです。

その後、2人は2004年夏ごろから恋人関係に。2005年4月には雑誌『Friday』上で、お互いの家を行ったり来たりする「連泊愛」をスクープされ、交際が公になります。
何でも、矢口の実家から当時小栗の住んでいたマンションは、わずか400mの距離にあったのだとか。
ちなみに、この記事の見出しは『モー娘。矢口真里&イケメン俳優「親公認の通い愛」撮った!』でした。「小栗旬」ではなく「イケメン俳優」……。今では誰もが知る有名芸能人となった小栗も、この頃はまだ無名だったのです。

「男」を取った矢口真里、モー娘。
を脱退するも…


さて、当時既に全盛期ほどの勢いを失っていたとはいえ、国民的アイドルグループの人気メンバーが起したスキャンダル。しかも2ヶ月半前に、矢口はモー娘。の第3代リーダーに就任したばかりということもあって、世間の視線は集中しました。
当然、事務所はこの一件を問題視し、「男か仕事か」の二者択一を矢口に迫ります。そこで矢口は、同様の決断を求められた際、庄司をとった藤本美貴のように、即答で「男」を選択。モー娘。
リーダーの座をいとも簡単に捨てて、小栗のもとへ走ったのです。

しかし2006年、2人は交際から約2年たらずで破局を迎えてしまいます。原因は小栗の浮気でした。長年在籍した愛着のあるグループを脱退してまで維持したかった、小栗との恋。その一途な想いを挫かれた反動からか、その後、矢口が奔放な私生活を送って今に至るのは、ご存知の通りです。
恋愛に“たられば”は禁物ですが、もし仮に、小栗との関係が順調に続き、めでたくゴールインしたとしたら……。
彼も後に俳優として大成したことですし、きっと大物芸能カップルとしての、違う未来が待っていたことでしょう。
(こじへい)

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