先日、2017年の流行語大賞が発表されました。大方の予想通り、「忖度」「インスタ映え」などと並んで受賞に至った「35億」。
しかし、授賞式にブルゾンちえみは現れませんでした。欠席の理由は「スケジュールの都合が合わなかったから」とのことです。

一発屋で終わりたくないブルゾンちえみ


ブルゾンが「キャリアウーマンネタ」でブレイクしてかれこれ1年。同じことばかりをしていても飽きられるのは自明の理であり、だからこそ最近は、バラエティ番組で「with B」との熱愛ネタを持ち出してみたり、「ひたむきで大人しいタイプ」と素の自分をアピールしてみたりと、キャリアウーマンからの脱却を図っているのです。

ブルゾンにとって今は、人気定番タレントになれるか、「一発屋」で終わるかの瀬戸際なのです。

しかし、こうした"キャラ変"にはリスクが付き物。特にブルゾンのような強烈なビジュアルだと、もはや、その格好以外でいることを世間は許してくれません。
現に、日本エレキテル連合も8.6秒バズーカも、レイザーラモンHGもとにかく明るい安村も、素の格好になった途端、需要がなくなってしまいました。

ブルゾンと同じナベプロ所属のにしおかすみこも、キャラ変に難儀した芸人の一人。彼女の場合、その葛藤・苦悩があろうことか、『FNS27時間テレビ』のネタ見せ中に露見してしまうという大失態を犯してしまいました。

「女王様キャラ」でブレイクしたにしおかすみこ


SM女王様風のボンテージを身にまとい、バラ鞭片手に、「にしおかぁ~っ、すみこだよぉ~!」と自己紹介……。2000年代中頃、何度この光景をテレビで目撃したことでしょうか。

にしおかは、1994年に太田プロダクションから「西岡すみこ」としてデビュー。2002年にワタナベエンターテインメントへ移籍し、コンビとしての活動を経て2005年再びピン芸人に。
芸名も「にしおかすみこ」とひらがな表記に改めます。
そして2006年、バラエティ番組『くるくるドカン~新しい波を探して~』(フジテレビ系)で、あの「女王様キャラ」を披露してブレイクしたのです。

売れっ子になってからしばらくすると、メイクはナチュラルめに、衣装は私服にチェンジ。日テレ深夜のバラエティで、Perfumeと女子トークを繰り広げたりし、タレントとしての方向転換を図っているのは誰の目からも明らかでした。

ネタ披露中に大号泣!


しかし、そんな過渡期ともいえる時期に、事件は起こってしまいます。それは、『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)の1コーナー「復活!有名人の集まる店。貴子ママと若手芸人スペシャル!」でのこと。

悩める若手芸人たちが、さんまや中堅芸人の前でネタを披露するという趣旨の企画だったのですが、他の若手数組はダダスベリ。難しい空気の中、にしおかの番が回ってきます。

にしおかは明らかに不安な表情。「ネタに自信がない」そう予防線を張りつつ、ピンクのワンピース姿で女王様ネタを披露するも、まったくウケず。途中でネタを放棄し、さんまに助け舟を求めました。
けれども、「バラエティは戦場」と常々語るさんまがフォローするはずもなく、「オチまでいけ!もう一度やれ!」と押し出されます。
が、「にしおかぁ~っ!」と出だしからやりはじめとことに周囲は唖然。「え、最初から!?」とさんまに突っ込まれてしまいます。

パニック状態に陥ったにしおかは、なんとか立て直しを図るもうまくいかず、最終的には泣き出してしまったのでした。

続く『ネプリーグ』でも失態を……


この失点を挽回しようとしたのか、同じ『FNS27時間テレビ』内の『さんまin「ネプリーグ」』では、さんまに対し「休み過ぎ」と毒を吐いたり、問題に答えられないことをアナウンサーの滑舌のせいにしたりと、すべてが裏目にでてしまいました。

タレントとして過渡期ゆえの悲劇


もしも、にしおかが「女王様キャラ」だけをしていた時期だったら、求められている役割が明確な分、このような失態を犯す可能性は低かったはずです。
しかし、かつての森口博子や松本明子のような「場回しのできる女性タレント」を志向していたと思しき過渡期に、女王様ネタを振られたため、迷いが生じてしまったのでしょう。

ブルゾンもにしおかのように、今まさにキャラ変中というタイミングで、試練が訪れるかも知れません。
その時の対処一つで、彼女の命運は左右されるはずです。
(こじへい)

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