カルピスを作る過程で、バターが生み出されているってご存じですか? と言っても、カルピスの味がするわけじゃない。カルピスの主原料である生乳を脱脂する際に分離するクリーム(脂肪分)から、非常に高品質なバターが作られているのです。
端的に言うと生乳を「脱脂乳」と「クリーム」に分け、前者はカルピスに、後者をクリームに使用しているとのこと。

こうして出来上がったバターは『カルピス(株)特撰バター』(以下「カルピスバター」)の名で商品化されているそうです。そして、これが大人気! 非常にクオリティが高く、識者から“幻のバター”と呼ばれるほどの人気を博しているらしく。

そんなこのバター、シェフやパティシエが使うプロ仕様として1963年から販売が開始されています。一般発売がスタートしたのはそれから18年遅れた1981年からというから、あまりにもな本格派だ。

これは、敷居が高そうだな……。と思いきや、そのハードルをググっと下げてくれる一冊が発表されました。10月5日から発売されているのは、その名も『バターマニア』。「カルピスバター」を使用した様々なレシピが紹介されている一冊であります。
「当社にも熱烈なファンが多いこのバターの美味しさを、もっと多くの人に味わってもらいたい! という思いから、多くの社員が制作に協力した一冊です。カルピス社員だからこそ知っている、とっておきの料理法がたくさん掲載されています」(カルピス・担当者)

では、「カルピスバター」と他のバターの違いについて。どうやら、大きく3つの特長が挙げられるようです。

・「色の白さ」(ケーキなど見た目を白く仕上げる時によい)
・「伸びのよさ、均一で滑らかな組織」(パイ、クロワッサンの作業性の良さ)
・「合わせる素材の味を生かす味わい」(ソースなど合わせるも素材を邪魔しない)
・「あっさりとした上品な乳風味」(バタークリームがしつこくなく仕上がる)
なるほど。やはり、プロのシェフにウケる要素が満載ですな。
「もともと業務用でスタートした経緯もあり、家庭用と業務用の割合は1:9で圧倒的に業務用が多いのが現状です」(担当者)

しかしこのレシピ本を参考にすれば、家庭活用も怖くない! 同書には、手軽に自分好みにできる「カスタマイズバター」と、大切な人に作ってあげたい「おもてなしディナー」、計107のレシピが紹介されています。
その中でも特に反響の大きかった“お手軽レシピ”は、以下の3つ。
(1) さわやかフレンチトースト
卵、牛乳、カルピスをよく混ぜ、そこに食パンを浸し、「カルピスバター」を入れたフライパンで両面を焼き、食べる時にも「カルピスバター」を乗せ、いただく一品。くどさのないバターの深いコクと、カルピスのさわやかな甘ずっぱさが楽しめる。
(2) カルボナーラ風うどん
「カルピスバター」を入れたどんぶりに、茹でて湯切りしたうどんを投入。そこから30秒待ち、うどんにバターを絡め、万能ねぎと卵黄を乗せ、しょう油をかける。だしじょう油ではなくあえて普通のしょう油を使うことで、「カルピスバター」の純粋な味を楽しむことができる。
(3) カスタマイズバター
そのまま食べても美味しい「カルピスバター」だが、カスタマイズすることで美味しさの幅がさらに広がる。
みそバター:焼きおにぎりや焼き餅につけても。少し甘めの懐かしい味。

レモンバター:上品でさっぱりした風味は、グリル野菜・魚にも。
塩バター:無塩のバターには、その美味しさを最大限に引き出してくれる岩塩を使うのがコツ。

さて、私も実際にレシピ本を活用してみました! チャレンジしたのは、その名も『こんぶ茶バターそうめん』。作り方は、すこぶる簡単。器にこんぶ茶を入れて熱湯を注ぎ、そこに茹でて水洗いしたそうめんを投入。万能ねぎと麸も入れ、最後に「カルピスバター」を乗っけたら出来上がりです。
では、いただきます。……サッパリ! それだけじゃなく、バターが食欲に加速を付けてくれます。バターを入れたら、重くなったりするじゃないですか。トゥー・マッチというか。これは、そんな感じがしない。料理に重宝されているのも頷けます。
それでいて、物足りなくもなく。純度も高く、独特のミルク感もあります。きっと、お酒を飲んだ後の締めに最高だろうなぁ。

「自然の恵みから作られる高品質なバターを使ったレシピで、心とからだの健康に役立ちたい。その料理で、心がほっとする至福の時間を味わっていただきたい。そんなカルピス社員の想いが詰まった一冊です」(担当者)
思いのほか簡単に作れるレシピばかり紹介されており、料理慣れしてない男子にも嬉しいであろう一冊。“幻のバター”の敷居を下げていただき、ありがとうございました!
(寺西ジャジューカ)
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