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「セーラー服と女学生」の秘密を探る なぜ100年間も愛されるのか?

2018年4月7日 11時00分 ライター情報:舟崎泉美/イベニア

セーラー服がいつの時代も愛される理由


日本ではじめて学生服にセーラー服が採用されたのは今から約100年前。それからというものセーラー服は日本人に愛され続けている。日本人はなぜセーラー服が好きなのだろう?

その秘密を探る『セーラー服と女学生』展が6月24日まで弥生美術館にて開催されている。


同展では、人気イラストレーターの中村佑介さん、セーラームーンでおなじみのマンガ家の武内直子さん、画家の江津匡士さん、イラストレーター森伸之さんなど、数多くの作家による「セーラー服と女学生」をモチーフにした作品を展示。各世代のクリエイターが描く個性的なセーラー服を時代の変遷を追いながら見ることができる。
中村佑介

中村佑介


絵だけでなく各作家のインタビューなども楽しめる。例えば、武内直子さんは「日本の制服が(海外で)日本発のファッションであると受け入れられているならとてもうれしい事です」と言いながらも「個人的には制服は自分をしばるものでつまらない要素だと考えています」というコメントをしている。
武内直子/画 『美少女戦士セーラームーン』完全版第一巻カバー (C)Naoko Takeuchi


個人的に『セーラームーン』はセーラー服のかわいらしさに魅力を感じて描かれていると思っていたので、このコメントは少々意外であった。そういった作家や作品の裏側がわかるのも同展示の魅力だ。
高畠華宵


その他にも、日本で初めて学生服として採用された京都の平安女学院のセーラー服や、「100年前の女学生」と写真を撮れるコーナーなど、セーラー服にまつわるさまざまなコーナーが用意されている。



「セーラー服と女学生」展の担当者にインタビュー


『セーラー服と女学生』展の担当である、弥生美術館学芸員の内田静枝さんにお話を伺った。

――『セーラー服と女学生』展を開こうと思ったきっかけは?

弥生美術館のアートディレクターをしている画家の江津匡士先生は、セーラー服の女学生をテーマに作品づくりをされています。そこで江津先生にお力添えいただき『セーラー服と女学生』展を開催することになりました。
江津匡士先生の作品


――いろんなクリエイターのセーラー服に対しての見解を知ることができる良い展示でした。

セーラー服は間口が広いんですよね。おじいさんやおばあさん、小さな子どもまで、セーラー服と言えばわかります。それに、みなさん自分の思い出を重ね合わせて語り合えるんです。

日本での制服というのは10代の学生という大きな枠組みで着るもの。一時期はそれが束縛だという風に捉えられて制服がなくなりかけたこともありました。

でも、その学齢期にある人は束縛と感じる一方で、制服を着たい気持ちもあるんですね。その年頃の人たちは自分には今これが似合うっていうのがよくわかっていて、学校から押し付けられる制服は嫌だけれども自分でカスタマイズする良さを知っています。

さらに日本人っていうのは新しいものを作るのは苦手とされていますが、形が決まっているものを工夫して、自分らしさを演出するのが得意なんです。ですから、リボンの結び方で個性を出したりできるセーラー服は、日本人の気質にすごく合っていたのではないかと思います。


――時代によるセーラー服の移り変わりも分かりおもしろかったです。

今や日本は制服最先端で、日本から世界へ文化を発信しています。その強力な後ろ盾は『美少女戦士セーラームーン』ですね。セーラームーンがあったからこそ、海外の人たちが日本の制服のかわいさを知っていただけたようです。

海外では、ファッションとしてもコスプレとしてもセーラー服は人気ですよね。もともと洋装制服は海外から日本に入ってきたものなのに、日本発信の文化になっているのはセーラー服のおもしろいところです。

――この企画展の見どころはどこでしょうか?

たくさんの情報を網羅しているので、いろんな角度からセーラー服について知ることができる点ですね。

さらに今回は、若者に人気の高い中村佑介先生にもご出展をいただいています。中村先生は自分の絵に時代性や趣味嗜好を持たせたくないという思いから、10年後、100年後に作品を残すために、あえてどの時代の誰にでも当てはまるセーラー服というものを描かれているそうです。

また竹久夢二がすごくお好きで、夢二は大正時代の風俗として着物姿を描いていますが、中村先生は現代女性の風俗としてセーラー服を描きたいとおっしゃっていましたね。


そのほか、イラストレーターの森伸之先生の作品も見どころです。森先生は路上で女子高生を観察し続けて40年になるそうですが、「決められたフォーマットの中に豊かなバリエーションがある制服は、切手と同じ感覚だ」とおっしゃられています。そのため、切手を集めるように制服の絵をコレクトしていらっしゃるんですよ。
森 伸之/画 「私学の夏セーラー」 ドローイングペン・マーカー・水彩2007年 (C)森 伸之


――セーラー服には、一言ではまとめられない魅力がありますね。

人それぞれセーラー服に対していろんなネタを持っていますからね。ですから、本展は誰とでも来られる展示になっています。このお友達じゃないとダメというより、誰と来ても絶対に盛り上がれるはずです。親子3代で訪れてもいいですね。
松本かつぢ/画 「君の瞳はつぶらにて」 (C)松本かつぢ資料館


日本からだけでなく海外から来る人もいるという『セーラー服と女学生』展。ぜひ足を運んで、家族やお友達と一緒にセーラー服の魅力を堪能してほしい。そしてセーラー服について語り合うのもいいだろう。学生時代の思い出やセーラー服への思いなど、それまで知らなかった相手の一面を知る良い機会かもしれない。

【セーラー服と女学生 ~イラストと服飾資料で解き明かす、その秘密~】

◆会期
2018年3月29日(木)~6月24日(日)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
※ただしゴールデンウイーク期間を含む、4月24日(火)~5月6日(日)は無休で開館

◆場所
弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)

◆料金
一般900円/大・高生800円/中・小生400円
(竹久夢二美術館もご覧いただけます)

※展示予定は随時、HPでお知らせ。
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yayoi/exhibition/next.html




(舟崎泉美/イベニア)
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ライター情報: 舟崎泉美/イベニア

小説、脚本(映画、舞台、ゲームなど)の他、雑誌、WEBに、記事を寄稿。『ほんとうは
いないかもしれない彼女へ』で、第一回本にしたい大賞受賞。

URL:http://izumishiori.web.fc2.com/

コメント 2

  • 匿名さん 通報

    魔改造文化の日本らしい話。旧来は欧米の水兵服(つまり男の世界)だったデザインを何故か女学生に着せようなんて思いつく奴がいる。それを受け入れる奴がいる。なし崩し的に定着してしまう。

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  • 匿名さん 通報

    水兵の制服を女学生にというのは明治期に外国から招聘された女性教師の発案ではなかったかな それも当初は運動着として

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