清水翔太 あくまで歌は自分をどう表現するかのツール/インタビュー2

■清水翔太/24thシングル『Good Life』インタビュー(2/3)

――インタビュー1より

いい歌を歌いたい、綺麗に歌いたい、歌がうまいっていうとこを見せたい、みたいな感情は以前よりは少なくなりました。

──そういうことが歌詞の背景にあるからでしょうが、今回の曲は本当に歌詞がストレートに入ってきますね。


翔太:前は作ってるときに、もう少しみんなの想いとか、みんなが求めてるものをイメージすることが強かったんですけど。今は自分が何を思うかってことを書いているので、そういうことも影響してるのかもしれない。だからどういうサウンドで、どういう表現方法でやるかっていいことが前より重要になってきてますね。

──サウンドのスタイルと歌詞との兼ね合いが、ですか。

翔太:そうですね。僕が今一番気にしているのは、サウンドと歌詞の深さや重さが両立できてることなので。そう思うとR&Bって、日本語の響きとあまり合わないんですよね、そもそもスムースであることがすべて、という音楽のスタイルだから。でもヒップホップだとね、伝える方法はいっぱいある。だから最近はこういうヒップホップな感じの曲が多くなってきましたね、そのほうが表現の幅が広がるから。

──それだけ歌詞で伝えたい、という気持ちが強くなってきたんでしょうね。

翔太:そうですね、言葉も「僕」から「俺」に変わったし。前は、なるべくいろんな人が共感できて馴染みのいいものって考えてたから、「俺」より「僕」のほうがよかったんですね。
まぁ前は曲としての魅力っていうところを追求していた、というのもありますけど。今は清水翔太っていう人間や生きかた、どういう人間なのかっていうことのほうが重要になってきてるから。そこが魅力的なら、その人が言うことも魅力的に見えるだろうって。

──まずは自分ありきというか。

翔太:自分自身でいたいんです。っていうか、誰かのことを歌うんじゃなくて、普通に俺はこうだよって言ってカッコよかったらそれが一番いいかなって。そんな気がするんですよね。

──そう思うようになってから歌い方も変わりました?

翔太:そんなに意識はしてないですけど。最近はあまりがっつり歌いたいとも思わないですね。いい歌を歌いたい、綺麗に歌いたい、歌がうまいっていうとこを見せたい、みたいな感情は以前よりは少なくなりました。
清水翔太 あくまで歌は自分をどう表現するかのツール/インタビュー2

──以前はどうでした?

翔太:昔はありましたよ、“歌力”みたいな。カバーアルバムを出した頃とかは、歌の力っていうのをすごく考えてたし、歌が好きだったし。
今も歌は好きですけど、それよりは表現をしたいっていう気持ちのほうが強いから。あくまで歌は自分をどう表現するかのツールというか。

──すると2曲目の「I'm in love」のような曲は、以前だったらもっと凝った歌い方をしていたのでしょうか。

翔太:そうですね、これ、普通に歌ってますからね(笑)。まぁソウルっぽいテーマで作った曲だから、ちょっとソウルっぽく歌ってはいるけど、それくらいで。特別上手く歌おうっていう感じもなかったし。きっと昔だったらフェイクとかして、アドリブもガンガン入れて、歌うまいぜっていうのをアピールしてたかもしれないですけど、今はないですね(笑)。

──そんな(笑)。いい曲じゃないですか。

翔太:遊びで作った曲なんですよ。僕たまにやるんです、半分ギャグっていうか、「あの頃のああいう曲」「こういう曲、あるよね」みたいな感じで作る遊び。そういうノリでソウルっぽいものを作ってみたら、みんなが「いい曲だ、いい曲だ」って言うから、「じゃぁ、ちと作ってみるわ」ってことで。


──そして3曲目には「FIRE -TOYOMU Remix-」。

翔太:本当はTOYOMUくんとアルバムで1曲やりたかったんですけど、スケジュールが合わなくて。で、もともと彼はサンプリングとかに強いから、逆に好きにやってもらったらカッコいいんじゃないかなと思って、やってもらいました。そしたら、いいじゃん!っていうものが出来上がってきて。

──それにしても「Good Life」のような曲を書くと、じゃあ次はこういうテーマでとか、いろんなアイデアが出てきませんか。

翔太:たぶん、このあと出てくるでしょうね。でもこの曲がどうなのかも見たいです。単純にいいと思う人が多いのか、少ないのか、それを見たいなって。

──初めてのテーマの曲ですから、反応は気になりますよね。

翔太:そう。売れてほしいなと思いますけどね、そうとう自信作というか、気に入ってる曲なので。
清水翔太 あくまで歌は自分をどう表現するかのツール/インタビュー2

──でも世の中、煮え切らないことが多いので。
「Good Life」を聴くとスッキリしますね。

翔太:きっとみんな怖いんですよ。ちょっと批判したり尖ったことを言ったりすると、反対側の意見からかなり攻撃されますからね。

──だからフンワリさせておこうかなと。

翔太:そうですけど、くだらないですよね。言いたいことを言うのが、今一番やってて楽しいことだと思いますよ。もうね、批判を恐れてフンワリやってたってスッゲェつまんないっていうのが身にしみてわかってるから。なんでも言い切っちゃうっていう(笑)。そういう今のやり方が楽しいですね。だから曲を作ってるときも迷うことが少なくなりました。前は本当はこう言いたいけど、もう少し柔らかい言い方にしたほうがいいかな?みたいに迷ったけど。最近はもう何も考えてないから。


──歌詞の中でも<俺以外Judgeする権利はない>と言ってますし。

翔太:これだって、いくらでも批判できますよ。「じゃあ、一生自分を自分でジャッジしてればいいじゃん、作品なんて世の中に出す必要ないじゃん」とか。もうそんなこと言い出したら、音楽しなくていいじゃんっていう話になるから。でも僕は自分がしたいと思うことを音楽にしたいから。どう批判されても上等っていう気持ちで今はやってるので、尖ったことも言えるし、言いたいことが言える。だから今のやり方が本当に楽しいです。わくわくする。

──音楽と翔太さんの距離がすごく近いですね、今は。

翔太:前が遠すぎた(笑)。それで苦しんだから。ナチュラルでいることが自分のリハビリでもあって。
なんかね、自分を殺してでも周りの意見を優先するっていうのが染み付いちゃってたから。今でもちょっと思いますけどね、振り切ったり尖った表現をするときに。自分はどう言われようが構わないけど、周りに迷惑かけるんじゃないかって。そう思うと、すごく怖い。

──アーティストって言われる方々はゴーイングマイウェイと思われがちですが。翔太さんは、そうではないですね。

翔太:そうあるべきだろうなと思うし、だから最近は好きなことをバリバリやってますけど。だって無難なことばっかりやって、つまんなくなって辞めるっていうほうが、よっぽど迷惑だろうから。それなら多少問題が起きても、アーティストを続けられるほうが精神的にいいかなって。

──でも今回のシングルを聴いて、翔太さんが今度はどんなことを歌うのか、すごく楽しみになりました。

翔太:嬉しいですけど、あまり期待されても怖いかも(笑)。もうね、そんときにやりたいことをやるだけだから。それ以上でもそれ以下でもないから。

――インタビュー3へ

≪リリース情報≫
24th Single
『Good Life』
2018.01.24リリース




≪イベント情報≫
【SHOTA SHIMIZU 10th Anniversary Event for Family】
2018年2月20日(火)東京・豊洲PIT
2018年2月21日(水)東京・豊洲PIT
2018年2月25日(日)愛知・Zepp Nagoya
2018年2月27日(火)大阪・Zepp Namba
2018年2月28日(水)大阪・Zepp Namba

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