なぜか日本人は血液型の話を好む。毎朝、出社前に見る血液型占いにその日一日のモチベーションを左右される人も決して少なくないはずだ。


「地球上に約65億もいる人間が、たった4種類に分類できるわけない」と思いつつも、“今日のラッキーアイテム”を視界のどこかに探してはいないだろうか。

 そんな中、最近、“B型人間”が俄かに脚光を浴びている。

 ブームの火付け役となったのは、「B型 自分の説明書」(Jamais Jamais著/文芸社刊)という書籍だ。元々は自費出版で1000部を出版したにすぎなかったが、いまや100万部突破の大ベストセラーとなっている。

 本文中には、数百に及ぶチェック項目が満載されている。その中から、いくつかを紹介しよう。


「変って言われるとなんだかうれしい」

「利き手じゃない方を利き手にしようと試みたことがある」

「気になることがあると即行動」→「その時の行動力はすさまじい」→ 「でも興味がないとどうでもいい」

「おおっ、これは…」と、B型の筆者も思わずうなずいてしまう内容が、これでもかと続くのだ。

 「B型 自分の説明書」の著者Jamais Jamais氏──“ジャメジャメ”と読む──のプロフィールは不明。さらに国籍も性別も自身の血液型もまったく明らかにされていない

 欧米ではまったくといっていいほど見られない“血液型信仰”が日本で市民権を得たのは何故か? その理由に「初対面の人と会話をする際、学歴や年齢に比べて血液型が当たり障りなかったから」ということが大きく影響しているといわれている。

 4月には姉妹本として「A型 自分の説明書」が発売された。「今後はさらに、AB型、O型と続編が刊行される予定」と出版元の担当者。

 血液型性格を信じるも信じないも人それぞれだが、「あの人は○型だから」という決め付けが必ずしもあてはまらないことも少なくはないはずだ。
あくまで参考程度にとどめておくのが賢明かもしれない。

(筒井健二)

■関連記事
・80年前のプロレタリア文学「蟹工船」再ブームの背景
・ベストセラー作家達が結集
国際貢献の新しいカタチ「Chabo!」

・美人は読書の姿勢も「最適化」されている
・小説のジャンルを知ることからはじめよう!【マンガ 小説の書き方】
・中日マスコット「ドアラ」はプロ野球人気回復の起爆剤となるか?
・【竹中平蔵が語る】ソフトパワーがニッポンを救う!