座談会をするためにうめさんの家にきたルーツ。
しかしやっていることはチーズケーキにブラインドとすっかり日曜日みたいな状況だが、座談会をしないことには家にも帰れないし、ビールも飲めないぞ。

さあ、早く始めましょうよ、みなさん。
Part1/うめ、ルーツのプロフィールはコチラ

小沢 なんかドリルで穴あけてから止め具をセットしなきゃいけないみたい。
ルーツ バキっと穴開けていきましょうよ。
(ギュイインギュイイン)
――ドリルがすげえうるさいんですが。ブラインド取り付けるのにこんな工事みたいなことするんですね。
小沢 ね、賃貸だからこんな穴開けていいのかわからないんだけど。
ルーツ バレたら大事ですよ。
――もうチーズケーキが出来上がっているみたいですよ。どうですか?
小沢 (オーブンの中を確認して)うーん、もう少し焼き加減が付いてもいいんじゃない。
――もうちょい焼きますか……。
ルーツ こんなところでいいんじゃないですかね。日除け効果バッチリですよ。

分銅 ケーキもいい感じに焦げ目が付いてきましたね。
小沢 おー、お疲れー。
――終わった終わった。さあ、食べましょう!
小沢 これ美味しい。
ルーツ ちゃんと膨らんで安心しましたよ。薄力粉のおかげですかね。
――薄力粉って膨らむの?
ルーツ わからん。
妹尾 スイートポテトみたいだよね。
――あー、給食にでた味ですよね。
妹尾 そうそう。
ルーツ では、やりますか!
――すっげえ仕切るね、ルーツ。それではお願いします。

小沢 よろしくー。でも、まさかこのスピードで単行本出すとは思わなかった。
ルーツ そのびっくりを文章にしてあとで提出していただければ。
小沢 文章は書かないよ!
――連載してからどれくらいで単行本だっけ?
ルーツ B-TEAMで描いていたやつも入っていて、09年4月からで、1年ちょい。「コミックバーズ」で描き始めたのは11月、いや12月号からだったから……。
分銅 「1月号です」
ルーツ ああ、そうです。1月号ですね。
――覚えてないんだ(笑)。
ルーツ 「コミックバーズ」で連載してからは9ヶ月。
小沢 しょっちゅう2本同時連載とかやっているよね。
妹尾 うん、増ページが多い。
――そんなにたくさん描かせてもらえるものなの?
ルーツ いや、なんか勢いで。

――ついやっちゃったみたいな感じなんだ。『するめいか』はB-TEAMでやっていた4コマも収録されていますけど、このときはうめさんがネームを見ていたって聞きました。
小沢 そうだそうだ、4コマ編はネームも見て編集していたんですよ。面白いのが、4コマなのにそれぞれのコマの大きさが全部違うってのがあってさ。
――あ、手描きで線を引いてるからズレてるんですね(笑)。
小沢 それに当時はB-TEAMの担当編集もやってたアライさんも気付かなくて。
ルーツ すっごい斜めになっていたんですよ。
アライ あらー!? って。
小沢 それも線1本とか2本分じゃなくてさ、明らかにガタガタだった(笑)。
――4コマなのかショートストーリーなのかわからなくなりますねそれ。
小沢 1コマ目がいらないってのもよくあった。
ルーツ 1コマ目と4コマ目がいらないってのを言われていましたね。

小沢 そうそう! 4コマ目から始めろ、とか。
妹尾 最後のほうはあらかじめやってきて成長していました。
ルーツ だんだんとこなれてきたんですよ。そう言うと思いましたよって(笑)。
――へえ、修行時代だなあ。自分の本が本屋に並んでいるのって嬉しいでしょ?
ルーツ 置いてある本屋を探し回っていたら、『するめいか』のポスターが入り口に貼ってあるところがあって。
小沢 これは俺のことを知っているだろと。
ルーツ ニヤリと思って入って、店員に作者ですって。
小沢 やったんだ!(笑)。
――よくやるなあ。
ルーツ 店員も「ルーツさんですか!」って、もうウヘヘですよ。
妹尾 温かい書店はいいよね。
作者? はぁって言われることも多いから。
――『するめいか』は亀戸が舞台だけど、置いてあるところあった? TSUTAYAとか。
ルーツ あそこね、一冊も置いてなくてショックを受けたよ。
妹尾 亀戸のこと書いているのにね(笑)。
分銅 売り切れていたんだと思います。先日、亀戸のTSUTAYAから注文が来たんですよ。
――おおー!
ルーツ ツイッターで書いた効果ですよ、恨み節を(笑)。そうだ、加藤これ見てみ(『するめいか』の表紙に書いてある文字を見せる)
――え、ボーイネクストドア(BOY♂NEXT♂DOOR)……こんなの入っていたんだ(笑)!
小沢 なにそれなにそれ。
ルーツ 「ガチムチパンツレスリング」っていうニコニコ動画で流行っている動画シリーズの名フレーズで、こっそり混ぜたんですよ。
小沢 へぇー、表紙に書いてあるテキストって誰が考えたの?
ルーツ 表紙にニコニコ動画みたいなコメントを流そうっていうのはデザイナーさんのアイデアなんですけど、テキスト自体は僕が考えたんですよ。
小沢 君が考えた方がすべらないもんなあ。
――だからお遊びが入っているんだ……。
連載始まったときと単行本出たとき、どっちの方が衝撃だった?
ルーツ やっぱり連載かな。単行本の方は忙しすぎて気がついたら出ていた感じ。
――なんかずっと忙しいって言っていたもんね。『大東京トイボックス』は単行本になるときに結構直しが多いですよね。コミックスにするときにどれくらい直しているんですか?
妹尾 巻が進むたびにだんだんひどくなっているんですよ。2巻から直しが多くなりました。
――どういうところを直したんですか?
妹尾 演出上の溜めが足りないことに気付いたんですよ。
小沢 そうそう、大体単行本って6話入っているんですけど、そのうちの2、3、4話をパズルみたいにシーンごとに入れ替えて別の話にしたんです。
――それで溜めのある演出にしていったんですね。
小沢 3巻は1話目と2話目をざっくり入れ替えたん ですよ。すごい怒っている人もいました。
――なんでそんなに怒っていたんですか?
小沢 その人にとっては、前のほうがよかった、ということでしょうね。
分銅 まあ、雑誌で読んでいた人ならそう思うのも無理ないですよ。ほんとうはそのまま出せるといいんですが。
小沢 ほんとすみません。漫画描くのなかなかうまくならなくて。
――どんな直しだったんでしょうか。
妹尾 月山と太陽の立場を入れ替えたんですよ。連載時は月山が反対して、太陽が「やろうよ!」っていうシーンだったんですけど、単行本で逆にしたんです。
――内容を変えちゃったんですね。雑誌で読んでいた人は展開が変わっていることに驚きますよね。今1巻を見て直したいところは出てきますか?
小沢 1巻どころか6巻で直したいところがあります。
――もうすでに!
ルーツ どんどん直していきましょうよ!
妹尾 昔のは見直したくないですね。
小沢 セリフを引用するときに仕方なく見直すくらい。「コミックバーズ」が届いてもしばらく開けないんですよ。ルーツは結構見るでしょ。
――見るたびに喜ぶタイプっぽい。
ルーツ ニヤニヤしながら読みますよ(笑)。
小沢 やっぱり!

俺も出来上がって掲載された原稿を見るのは苦手。
書き終えた直後は、これ最高じゃないか? って思うけど時間が経つと、もう見れない。
でもプリキュアの記事だけはニヤニヤしながら何回も読み返します。

うめさん、ルーツが子どものころの夢について熱く語るpart3もよろしく!(加藤レイズナ)
編集部おすすめ