大沢悠里の後継者は伊集院光!?


ベッキー・ゲス事変や、SMAPのお葬式レベルの生放送などなど、2016年も年明け早々からメガトン級の芸能ニュース目白押しだが、ラジオ好きに衝撃を与えた大事件といえば30年続いたTBSラジオの看板番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」の終了発表だろう。

1月18日朝に「日刊スポーツ」が報じ、続いて「ゆうゆうワイド」内でも悠里さん自身の口から正式に4月8日まででの番組終了が告知された。

ラジオは、テレビのようにチャンネルをコロコロ変えることが少ないため、朝スイッチを入れたら、ずーっとその局をつけっぱなしということも少なくない。


そんな中、14年以上も個人聴取率単独首位を続けているTBSラジオの朝をガッチリ守ってきた人気番組「ゆうゆうワイド」の終了はラジオ界の一大事といえるだろう。

そして、「ゆうゆうワイド」の後番組を任されることになったと発表されたのが伊集院光。昨年10月に番組20周年を迎えた、TBSラジオ・深夜の看板番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」でお馴染みの、深夜ラジオの帝王だ。

「深夜の馬鹿力」も朝の帯番組も両方やるみたい


伊集院さんのラジオへの強いこだわりや実績を考えれば、大沢悠里→伊集院光というバトンタッチは自然な流れとも思えるが、それでも「深夜イメージの強い伊集院さんが朝の帯番組!?」という違和感も……。そして何より「深夜の馬鹿力」の方がはどうなってしまうのか!?

「ゆうゆうワイド」の枠をそのまま引き継ぐとしたら、月〜金の帯で8時30分〜13時までの生放送。これに加えて月曜深夜(1時〜3時)の生放送までできるのか? もしかしてこれを期に「深夜の馬鹿力」は終わってしまうんじゃ?

この件に関して伊集院さんが何を語るのか、いやがうえにも18日放送の「深夜の馬鹿力」に注目が集まった。最近、めっきり夜に弱くなったもんで、タイマー録音しておいたものを聴くことも増えていたボクもバッチリ生で聴きましたよ!

放送で発表された朝の新番組に関する情報をまとめると、

・伊集院は月〜木の枠を担当
・金曜日は別のパーソナリティが担当し、木曜日はそのパーソナリティと伊集院の2人体勢となる
・放送時間は8時30分〜11時(11時〜13時は別番組?)
・毒蝮三太夫さんとの絡みはない予定(放送時間帯が違うので)
・そして「深夜の馬鹿力」は継続の模様!

月〜金の毎日4時間30分の生放送を続けてきたバケモノ番組「ゆうゆうワイド」の時間帯をそのまま引き継ぐわけではなく、新しい形態の番組となること。
そして何より「深夜の馬鹿力」も継続されるようだ。よかった! これで安心して、朝の新番組を楽しみにできる。

誕生した時からラジオの申し子だった伊集院光


ラジオパーソナリティとしては、ある意味、頂点ともいえる枠を継ぐこととなっただけに大きなプレッシャーもあるだろうが、この日の「深夜の馬鹿力」では、やっとリスナーに発表できたという解放感、そしてやはり新番組への期待感からか、伊集院さんが終始テンション高く嬉しそうに放送していたのが印象的だった。

考えてみれば「伊集院光」は誕生した時からラジオの申し子だった。

当時、三遊亭楽太郎(現・圓楽)の弟子・三遊亭楽大として、落語界で活動していた伊集院さんが、師匠に内緒で1987年にニッポン放送のオーディション番組「激突!あごはずしショー」に出演するにあたってでっち上げた芸名が伊集院光なのだ。

オペラ漫談というか面白オペラ替え歌というか……といった感じのネタ「ギャグオペラ」でオーディションを勝ち進み、グランドチャンピオンに。そのご褒美として「山口良一のそれゆけ!土曜日行進曲」のレギュラーリポーターとなり、伊集院光としての活動を本格化していく。


1988年には初の冠番組「伊集院光のオールナイトニッポン」を開始。ほぼ無名状態からのスタートながら、現実には存在しないアイドル・芳賀ゆいをリスナーとともにでっちあげるという企画などで人気番組に。

さらに、当時ニッポン放送で若者に絶大な人気を誇っていた夜のワイド番組「三宅裕司のヤングパラダイス」の後番組として(間に短期間「内海ゆたおの夜はドッカーン!」がはさまっていたけど)1991年に「伊集院光のOh!デカナイト」がスタート。

月〜金の帯番組担当ということで、このままニッポン放送生え抜きパーソナリティとしてキャリアを重ねていくのかなー……と思いきや、本人もちょいちょい番組で話題にしているように局側と色々もめたらしく1995年に番組終了。

それ以降はTBSラジオにホームを移して、現在も続く「深夜の馬鹿力」を開始。1998年〜2008年までは「深夜の馬鹿力」と平行して、TBSラジオ・日曜日のワイド番組「伊集院光 日曜大将軍」「伊集院光 日曜日の秘密基地」のパーソナリティも務めており、TBSラジオを代表するパーソナリティのひとりであることは間違いない。


●どんな、新しいTBSラジオ・朝の顔になるのか!?


ラジオ界全体で見ても、伊集院さんはかなりの重鎮ポジションにいると思うのだが、番組自体はまったく落ち着いていないのがスゴイところ。

ラジオパーソナリティって、若い頃はとがった毒舌全開のトークをしていても、年を経るごとにマイルドなトークになっていく……というのが普通なんじゃないかと思うけど、伊集院さんの場合は逆!

ニッポン放送時代のテープを聴き直すと、下ネタも毒舌もほとんどなく、かなりマイルドな内容だもん。ある意味、今が一番トークも毒舌もキレキレな状態に仕上がっている。

そんな伊集院さんが、リスナー年齢層が高いとされる朝の番組でどんな番組をやるのか……!?

しかし、考えてみれば「伊集院光のオールナイトニッポン」の後期くらいから追いかけているボクももう40歳。十分、年齢層が高いカテゴリーに入ってるもんな。

今のおじいちゃん・おばあちゃんたちから強力に支持されている大沢悠里さん的な朝番組を引き継ぐのではなく、次の世代のおじいちゃん・おばあちゃんたち(ボクたち)に向けた、新しい朝番組を作ってくれるんじゃないだろうか。


月〜木&月曜深夜の生放送ということで、聴く方はますます引きこもりが加速しそうだけど、伊集院さんがTBSラジオ・朝の顔として、どんなトークを聴かせてくれるのか、今から楽しみだ!
(北村ヂン イラストも)