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松本人志「ドキュメンタル」シーズン4いよいよ最終話。お笑い魂の削りあい、これまでの見どころをおさらい

2017年12月25日 11時00分 ライター情報:井上マサキ
10人の芸人による密室笑わせ合いサバイバル『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Amazonプライム・ビデオ)。昨年11月にシーズン1が配信され、この12月からシーズン4がスタートした。優勝賞金1000万円をかけ、死闘を繰り広げる芸人たち。その難しさについて松本人志は「劇場みたいにお客さんがいない」ことを挙げる。

「わかんなくなるんですよね。笑い声がないと灯台を失うというか。果たして俺はどこに向かって泳いでいるのだろうかと、すごく不安になる瞬間がある。ただ逆もありますよ。笑い声ないけど『絶対ウケてんな』って、そこでガーッと引っ張ることもありますよ」(『Documentary of Documental』より)

簡単には笑わない相手に笑いを仕掛けることは、物言わぬ壁にギャグを連発するような虚しさがある。そこで「絶対ウケてる」と己を信じる心も必要なのだ。もっとも、先ほどの松本人志の言葉は「でも、あとでみると全然ウケてないんですけどね」と続くのだけど。
『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン4。参加者は宮迫博之(雨上がり決死隊)、藤本敏史(FUJIWARA)、飯尾和樹(ずん)、くっきー(野性爆弾)、ノブ(千鳥)、大悟(千鳥)、井戸田潤(スピードワゴン)、黒沢かずこ(森三中)、西澤裕介(ダイアン)、クロちゃん(安田大サーカス)の10人。

不安は「荷物の大きさ」に現れる


『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』は、松本人志から招待された10人の芸人が、参加費100万円を握りしめて会場となる部屋にやってくるところから始まる。制限時間は6時間。笑った者から退場していき、最後の1人まで残れば1000万円が手に入る。複数の芸人が最後まで残った場合は、笑わせた回数が多い者が勝ちだ。

部屋には至るところにカメラが仕掛けられ、芸人が笑う瞬間を見逃さぬよう狙っている。別室のモニタールームで松本人志もリアルタイムでチェックしている。自分はゲラゲラと笑いながら。
松本人志が監視するモニタールーム。松本さんは「これ電磁波めっちゃ浴びてると思うけど大丈夫?」と心配していました。

芸人たちには小道具の持ち込みが許可されている。そのため、彼らの不安は「荷物の大きさ」に反映されてしまいがちだ。シーズン4で一番荷物が大きかったのは森三中・黒沢かずこで、自分の身長より高い荷物を抱えて登場した。武器となるのはもちろん「歌」。白のブーツにハイレグといった自前の衣装に着替え、テーブルの上に張った縄をまたぎながら、エコーが効いたマイクで「おまたぎさ〜ん!」と歌い踊る。
今回の紅一点。「森三中 黒沢かずこ。39歳。独身です」

もう一人、松本に「スペインに行くぐらいの荷物」と言われていたのがスピードワゴン・井戸田潤。荷物がかさばった原因のひとつは、自身のピンネタ「ハンバーグ師匠」の衣装。テンガロンハットに巨大なナイフ&フォーク、ネルシャツ、ジーンズ、ブーツ、ハンバーグがバックルになったベルトまで、フルセットを持ち込んだ。衣装に着替えて登場し、「俺だよ俺、ハンバーグだよ!!」と100%の声で本ネタを放り込むと、「こんなに声大きいんや……」と千鳥・ノブがぼやく。誰も笑わない。
井戸田さんはテリーマンの衣装も持ち込んでいました。

周囲の無反応も気にせずネタを続ける井戸田に、ギャラリーが反撃に出る。このとき、直前までくっきーが恒例の「心霊写真」(宮川大助・花子師匠のコラ写真)で攻めていたのだが、井戸田は衣装に着替えていたため写真を見ていなかった。ネタを続けるハンバーグ師匠の目の前に、チラチラと心霊写真を掲げて攻撃する芸人たち。ハンバーグvs大助花子という、世にも奇妙な死闘が繰り広げられる。

「乗っかる」果敢な攻め


ハンバーグvs大助花子のように、『ドキュメンタル』の面白さは思いも寄らぬコラボレーションにもある。今回、その立役者となっていたのがFUJIWARA・藤本敏史だろう。どんな些細なことにもツッコんでしまうため、少しでも「フリ」があればどんどん広げてしまう藤本。「笑わない」というディフェンスに徹するのなら放っておけばいい。しかし藤本は、「他の芸人に乗っかる」という形で積極的にオフェンスを仕掛けていく。
ドキュメンタルへの参加は今回で3回目。「(参加費に)もう300万も払ろうてる」と、同じく3回出場のくっきーと共にぼやく。

ダイアン・西澤裕介が毛量の多いズラをかぶって登場すれば、名前などのキャラ設定を聞き出す。雨上がり決死隊・宮迫博之に文句を言ってタオルでどつかれれば、同じくだりを繰り返すために再び文句を言う。ずん・飯尾和樹が仕掛けた場面の立ち振る舞いも印象的だ。

飯尾は大喜利の答えだけが書かれたスケッチブックを手に、「どんなお題にもハマる答えを書いてきた」という。趣旨を理解してすぐ「こんな学校は嫌だ。いったいどんな学校?」とお題を出す藤本。さらに、直前に西澤が披露していた「坂田師匠がプリントされたiPhoneケース」を取り上げ「写真で一言」を出題。終いには飯尾の横に並び、出題→答えのコンビネーションで他の芸人を攻めにかかった。乗っかり続けて、いつの間にか「反対側」にポジションを取っていたのだ。

相手の力を利用して攻撃に変える、まさに「柔よく剛を制す」といった佇まい。ちなみに藤本が持ち込んだ荷物は、小さな伊勢丹の紙袋ひとつだけ。「芸歴29年目、初めて自分にピッタリのフィールドを見つけた」と語る藤本。小細工はいらない。

鉄壁のクロちゃん


ただ、そんな藤本の力をも跳ね返すのが安田大サーカス・クロちゃんだった。いじられることで威力を発揮し、返り討ちにあう芸人も現れる。しかも終始困った顔でいて笑わない。しびれを切らした一同が「クロちゃんどうやったら笑うの?」「今まで一番笑ったのなに?」と聞けば「アクセルホッパーさん」と答える始末。全くツボがつかめない。
事前のコメントでは「笑わせることができたらドッキリ以外の仕事も来そうな気がする」と話していました。

いよいよシーズン4も最終話。当初はその顔ぶれから松本も「6時間もたないかも」と話していたが、気がつけば中盤まで脱落者が出ず、過酷な時間が続く展開に。残り時間は減り続け、用意したカードも全て出し尽くしてしまう。「何にもなくなったときに何ができるか」。松本人志がドキュメンタルに求められる技量を問われたときの言葉だ。

松本「最初はみんなそれなりに弾込めてくるけど、たいてい思った通りにいかないし、最初の武器なんて1時間くらいで使い果たしてるよね。そっからどうするか……」(『Documentary of Documental』より)

極限まで追い込まれてから、芸人の本領が発揮される。シリーズを通し、『ドキュメンタル』で最も芸人の魂が剥き出しになるのは最終話だ。お互いの魂を削りあい、1000万円を手にするのは一体誰なのか。その結末を見届けよう。



※Amazonプライム・ビデオとは
プライム・ビデオは大ヒット映画をはじめ、国内外のドラマ、話題のバラエティー番組やライブ映像などが、プライム会員なら追加料金なしで見放題。話題の松本人志による「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」、「戦闘車」や「バチェラー・ジャパン」といったプライム・ビデオだけのオリジナル番組も豊富に取り揃えている。


(井上マサキ)

(C)2017 YD Creation
【Amazonプライム・ビデオ】



ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

「松本人志「ドキュメンタル」シーズン4いよいよ最終話。お笑い魂の削りあい、これまでの見どころをおさらい」のコメント一覧 3

  • 匿名さん 通報

    見たくもない商業主義の塊り。 映画もテレビもコンプライアンスを守ることに必死。 その隙を突いた無能な輩の無能な出し物。

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  • 匿名さん 通報

    プライムに加入してるので観てみたが二度と観ない。絶対すべらない話や笑ってはいけないシリーズのノリを期待したが全くの別物。局部を晒すなど(もちろんモザイク)あんなもん芸と呼べるか?

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  • 匿名さん 通報

    陰部露出や放尿などといった、お笑いでもなんでもない、少しも笑うことができない。

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