オタク向け結婚相談所「とら婚」炎上ツイートの真意 「オタク趣味を捨てる必要はまったくない」
(C)2017 とら婚

アニメ・漫画ファン向けの結婚相談所「とら婚」が、「オタク以外のことにも目を向けて」とツイートして賛否両論を巻き起こしている。“オタクに寄り添う結婚相談所”をうたう「とら婚」が、あえて「オタク以外のこと」の重要性を説いた真意とは――。

オタク趣味を軽視した?


「とら婚」は、漫画やゲーム、同人誌などのオタク向けグッズを販売する「とらのあな」を運営するユメノソラホールディングスが今年2月に開業した“趣味と結婚を両立させる、オタクに寄り添う結婚相談所”。

「とら婚」公式Twitterアカウントは9月18日、「(1)オタク趣味しかない人(2)オタク趣味を持つけど他にもいろいろやっている人(3)オタク趣味を持つけどなんらかのスペックが高い人 選ばれるのは(2)か(3)です」とツイート。「なので是非自分に『付加価値』を持たせてください それは多ければ多いほどいいです だから、オタク以外のことにも目を向けて欲しいです」と呼びかけた。



さらに「オタク以外のことなんかやりたくない!という方 否定はしません、楽しいしねただ…その話題が尽きたらどうするの?デートはどこ行くの?お相手のご両親と何を話すの?子どもが出来たら何で遊ぶの?趣味を押し付けるの?オタク趣味をどうしてもできなくなったときどうするの?」と続けたが、一部の人々には“オタク趣味を軽んじている”や“大きなお世話”と受け止められてしまったようで、当該ツイートは炎上状態となった。

あくまで“結婚したいオタク”へのアドバイス


一連のツイートについて「とら婚」に問い合わせてみたところ、やはり一連のツイートはオタク全体ではなく、あくまで“結婚したいと考えているオタク”だけに向けたメッセージだったことがわかった。

「ただ今回のご批判の部分については真摯に受け止めております。当方としましては今後より一層こちらの意図が誤解なくお伝えできるよう、注意し心がけて参ります」

「オタク以外のことにも目を向けて」ツイートの真意とは、なんだったのだろうか?

「婚活では、好みの近しい多くの候補者同士を比較して選ぶ流れになっています。『結婚したいけどアニメ好きな人に限る』など、こだわりの部分だけを自分の個性としてアピールしてしまうと、それ以外に何かしらプラスアルファの部分を持っている方がいると見劣りする場合が多くなります。自分自身を深堀して何かしらプラスしていけば、お付き合いのできる成功率はぐっと高まります」


“オタク”へのネガティブイメージが強い婚活業界


婚活成功のためには、ときには自分を変えることも必要。そんな婚活市場の中で「とら婚」は、変化するにしても“オタク趣味を捨てる”という選択はとらないで済むよう会員をサポートするところに意義がある。

「私見ではありますが、婚活業界では“オタク”へのネガティブイメージが未だに強いように感じます。そのため他の結婚相談所では、カウンセラーが『オタクはマイナス趣味だから隠して』とアドバイスする場合も多いと聞いております。実際そのような体験から他社を退会して、『とら婚』にご入会いただいた方も複数名おられます。また当社の会員様とご結婚を考えられている他社の会員様がいらっしゃるのですが、その方は『オタク趣味を隠して活動していたことが本当に辛かった』とおっしゃっていました」

「とら婚」は、「オタク趣味を捨てる必要はまったくありません」と断言する。

「少なくとも当社の登録会員様には、今後も“オタクである”ことを否定しない形での婚活アドバイスを行い、ご自分らしく活動していただけたらと考えております」

つまり同社がオタク向け結婚相談所であるにも関わらず、オタクを軽視したというのはまったくの誤解だった。婚活で成功するためには、変化しなければならない場合もある。しかし、それは“オタクだから”変化しないといけないのではなく、“結婚したいから”変化しないといけないのだ……というのが、「とら婚」の伝えたかったことだったらしい。

(HEW)

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